アメリカのサブプライム・ローンが金融不安を引き起こしてから、やや時間が経つが、このところ日本の株式市場も、原油高騰も受けて先行きの景気に赤信号が灯り、株式相場もいまひとつぱっとしない。今日も市場は、対前日比155.15円安で、日経平均は15,583円まで下がり、今年二番目の底値だそうだ。政局停滞、食品偽装・不正事件、防衛省汚職事件、残虐な殺人事件等々で、世の中が暗くなったような気がする。
今日の金相場は過去最高の1トロイオンス=837$に達したが、この金価格表示に使用される「トロイオンス」という単位は、寡聞にして知らなかった。かつては、1オンス=35$の金本位制が通用していてプラザ合意前後から変動したと承知している。それが、単位も金額の桁もこうまで変わっていて今まで知らなかったとは、少々勉強不足でお恥ずかしい。今では、貴金属の単位としてオンスはまったく使われていないそうだ。トロイオンスとかつてのオンスとは、単に桁が違うだけかと思っていたら、まったく歴史的な背景や、数値も関連性がないようだ。トロイオンスのトロイとは、フランスのシャンパーニュ地方のトロイという地名で、11世紀にイングランドがフランス征服したころからの由緒ある地名だそうだ。1オンスを日本では金衡オンスとも呼び、480グレーン該当(このグレーンの意味不明)だそうだが、かつての1オンスは、437.5グレーンである。そうなると今日の金価格1トロイオンスを、かつての1オンスに換算し直してみると762$に当る。ベトナム戦争が激しかったころに比べて金価格は約22倍にまで高騰していることになる。これを押し上げている大きな要因のひとつは、石油産油国のオイルマネーであることは間違いない。かつては相場に何の影響も示さなかったオイルマネーが、これから投資先を求めてどんどん日本にも進出してくるのだろう。