183.2007年11月13日(火) 厳しいインバウンド・ビジネス

 JAPAN NOW観光情報協会が主催する定例の観光立国セミナーが、いつも通り麹町の海事センターで開催された。‘VISIT JAPAN CAMPAIGN’で注目を集めているインバウンド業務に関して「伸びゆくアジアのインバウンドについて」と題して、㈱JTBエイティーシー、砂原泉社長が講師をされた。中々窺い知れない業界の流れ、実情等についてかなり赤裸々に実態を話してくれた。パワーポイントでいくつかのグラフや表を表示しながら、具体的に説明されたが、表向きはともかく内実は厳しいようだ。質疑応答の際に質問した。90年前後に比べて取扱人数は4倍に増えているが、取扱高は高々倍増であまり儲かっていないのではないか。さらに、相手国側の手配チャージ制や無資格ガイドの増加等により、利益率が下がっていると思うが、実際の利益率はどうか? これに対する砂原氏の回答は、ずばり9%前後というものだった。元々旅行会社の利益率は低いが、いま注目を浴びているインバウンド業界もご他聞に漏れず厳しいようだ。その他にもいくつか問題点を語ってくれた。

 直取引の増加による手配チャージの浸透、通訳・ガイドの絶対数不足、長期未収金増加ほかの問題点がネックになっているとのことだった。今後いくら多数のお客を送ってもらっても、利益率が低すぎたり、支払い条件が悪いツアーは、斡旋手配を引き受けないようにすると苦しい内情を話しておられた。気持ちはよく分る。東南アジアの旅行会社でも、とりわけ中国の旅行会社の支払い条件が悪すぎると不満を述べておられた。華やかな表舞台の裏では、苦労している人たちがここにもいる。率直に業界と会社の実態を話してくれて、分りやすく参考になった。

 今日、元西鉄ライオンズの鉄腕投手だった、稲尾和久氏が亡くなられた。私より1歳年長なので、若いころは毎日彼の活躍を目に耳にしていたものだ。先月2日に大分で、稲尾記念館と球場の記念行事に出席して投球フォームを再現して元気な姿を見せていただけに、彼の急逝が信じられない。人柄が良かったので、大勢の元選手が惜別の言葉を述べていたが、あの力感溢れるピッチングは忘れられない。ご冥福をお祈りするばかりである。

2007年11月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com