190.2007年11月20日(火) 熱い隠岐古典相撲

 今朝NHKの「生活ほっとモーニング」で、隠岐の古典相撲を放送していた。1時間近くに亘る現地取材と、スタジオ内のトーク構成から成る番組だったが、私自身若干隠岐に関わりかかった時期があっただけについ夢中になり、そのまま最後まで観てしまった。

 史実を紐解けば、隠岐の古典相撲は、日本で一番古いという。少々変わっているのは、毎年開催されるというわけではなく、何かエポックメークな年に行われるとのことだった。偶々今年開催されたのは、島にたった一校ある高校、隠岐水産高校開校百周年行事に因んだ催しだということである。

 実は昨年3月末、新年度まで残り1週間と切羽詰った時点で、次年度内定していた「隠岐国観光大使」委嘱をお断りした経緯がある。当初、旧五箇村役場観光課に勤めていた坂嘉文さんから、ぜひ隠岐の観光宣伝のために協力して欲しいと依頼された。仲介してくれていた慶應の後輩、西野正氏の勧めもあり、またかつて営業責任者として、隠岐へ約二千名を送客した実績と思い込みもあり、僭越だが一肌脱ごうとの気持ちに傾いた。2月になって本郷の東大で開催された隠岐の観光シンポジウムに参加した時、合併後発足した新「隠岐の島町」の観光担当者とも観光振興のための方法論やビジョン等についても話し合った。私の「観光大使」就任を歓迎してもくれた。これがきっかけで、隠岐観光振興と町の宣伝のために「隠岐の島町観光PR図」を図解作成し、今後も隠岐の島町の観光発展のために微力を注ぐ心づもりでいた。

 ところが、新しい町の観光担当者の考えや行動と私の気持ちとの間に、大きなずれが感じられ、また、観光に対する視点がかなり違うことが分り、現状では引き受けることが双方に誤解を招く恐れがあると判断し、受諾直前であったが敢えて辞退を申し出た。西野氏や坂さんには今でもご迷惑をかけて申し訳ないとの気持ちがある。

 そんな過去のトラブルはあったが、隠岐に対するノスタルジアは消えたわけではない。今でも相変わらずニュースには、耳を傾け、離れた場所から見守っている。そういう気持ちがあるから、今日の古典相撲に対する島の人々の熱い気持ちには、つい心を打たれた。ゲスト出演していた漫画家のやくみつる氏や、作家・川上健一氏が、現在開催中の九州場所大相撲で空席が目立っていることを引き合いに、隠岐相撲には地域の連帯、情、熱意、一体感、盛り上げようとの情熱、郷土愛があると、大相撲に対する皮肉も交えて、熱っぽく語ってくれた。

 隠岐も人口流出が著しく過疎化しつつある。しかし、隠岐に住む人、一時的に隠岐を離れた人、すべてに言えることは、何とか島を活性化したいという強い気持ちである。こういう気持ちは都会人には中々分らないだろう。

2007年11月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com