何もかも変わったというほどでもないが、多少面食らった。職業柄年に一度も海外へ出かけないということは、これまでなかった。会社を辞めてから両膝に炎症を抱えているせいもあり、いままで4年以上海外へ出かけていなかったので、結構戸惑う。今朝いつも通りコーラスの練習に行く妻を車で送ってから成田へ向かった。私の旅行中に妻が瞼の手術を受けるのが、少々気になる。しかし、手術の当日29日は丁度チベットのポタラ宮殿を参拝しているので、妻もやや心細そうだったが、ラマ教の神様に無事成功を祈っていると言っておいた。
成田空港も久しぶりだったので、来てみて空港ビル内の雰囲気が少し変わっていることに気づいた。今日搭乗するのは中国国際航空なので、第2空港ビルだ。ロビー内が工事中で落ち着かない。集合時間より1時間以上も前にやって来てしばらく探索をする。連休明けの日中で、大分空いている。搭乗まで時間があるので、出国手続きを終え、〔AVION〕なるカフェで目の前に滑走路を臨みながらひとりでビールを飲み、早速このPCを使っている。
それにしても今や日本の出国カードは不必要となった。先日取得した新旅券も小型で、ITチップが埋め込まれているらしい。段々海外旅行も簡便になっていく。
しばらくぶりの海外だ。多少膝の炎症が気になるが、あまり無理をしないようにしたい。ただ、どうしてもポタラ宮殿の階段は何とかして昇って、展望台からラサの市街を見てみたいものである。
北京へはほぼ予定通り到着した。20年ぶりであるが、その間中国経済の発展は目覚しい。成長率、GDPともに群を抜き世界中を驚かせている。今やあらゆる面で中国の存在を無視することは出来なくなった。発展の一方で、諸外国へ悪影響も与え出した。偽ブランド、公害等の害毒を流し顰蹙を買っている現実もある。経済成長と潤沢な手元資金をバックに少々手前勝手な点も多過ぎる。かつては中国人を思う時、中国の人々が有している謙譲とか奥ゆかしさを思ったものだが、今やそれもあまり感じられないのが残念である。金万能主義が蔓延りだした。ハリボテの羅列になった。北京空港は新しく近代設備がされているように思える一方で、綺麗な生け花が飾ってあるかと思いきや、造花だった。ターンテーブル近くにはトイレがなく、隅の方にやっと見つけた。建物から出ると床面はデコボコでトランクを運ぶのに苦労する。市内へ向かう道路の路面も凹凸が激しく、探せばきりがないくらい雑な点が見える。残念ながら、万事に魂が入っていないという気がした。特に、都市部において顕著なのだろう。でも、明日から出かける地方都市では、まだまだ中国固有の良さがたくさん残されているのではないかと期待している。何といっても中国は広大で、奥が深い。
今日宿泊する中旅大厦(CTS PLAZA)にインターネット接続サービスが準備されていて、送信出来てほっとした。