212.2007年12月12日(水) ロシアのトップ人事にウルトラC

 ロシアのプーチン大統領は後継者にメドベージェフ副首相を指名した。この国は中々一筋縄で行かないお国柄ゆえ、大統領を辞めた後権力志向の強いプーチン氏自身が、どのような立場に身を置くのか一入興味のあるところだが、出来レースによって即座に氏は大統領選出後、プーチン氏を首相に任命したいと表明した。何とプーチン大統領が首相の座に座るというウルトラCには世界がびっくりである。

 シナリオはこうである。大統領は憲法規定により、2期8年間しかその職に就けない。若くロシア人の間では人気があり、まだまだやる気満々のプーチンとしては、権力を維持したままこれからどう国の政治の中枢に居座り続けることが出来るかを考えた挙句、編み出した奥の手が、憲法改正の道を選ばずに一旦権力の最高職から座を外し、院政の道を選択することであった。まず、自分の影響力を残して院政を行うために、次期大統領を操り傀儡とすべく腹心中の腹心、メドベージェフ氏を大統領に推薦し、新任大統領の不慣れな面を補佐する形で大統領に影響力を与え続け、次の大統領選で再び立候補する腹積もりである。その間、首相としての重要職務を全うし、絶対権力を更に固めてカリスマ性に秘かに磨きをかける。ロシア憲法上は、共和制政治体制を執行していて、大統領が行政府の最高権力者ということになっているが、首相の権力が大統領のそれを上回る権力行使を行った場合は、いわゆる議院内閣制と同じシステムになり、政治制度と大統領の地位が形骸化することは必定である。国家行政をひとりの人間の意のままに操るやり方は、明らかな独裁政治、ファッショ以外の何物でもない。そのおかしな道をロシアは選択しようとしている。

 メドベージェフ副首相は、悪名高いガスプロム会長として知られているが、月刊「選択」12月号に「ガスプロムは損をさせない」との記事が掲載されている。そこにメドベージェフ氏の顔写真が載っているが、どうも当人のものではなく別人のものではないかとの勘が働いた。以前に見た彼とは明らかに別の顔の気がした。余計なことであるが、「選択」誌の名誉のために同誌へ連絡して聞いてみた。しばらくして編集部の担当女性から返事があった。やはり、指摘した通り写真は別人であったという。同じガスプロム社の別人、メドベージェフ氏の顔写真を使用したらしい。人違いである。誤植のないことを誇りにしていた「選択」誌としては上手から水が漏れたということかもしれない。次号で訂正し、取り違えたことを注記するべきでしょうとアドバイスしておいた。

2007年12月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com