219.2007年12月19日(水) 韓国次期大統領にイ・ミョンバク(李明博)氏

 今日韓国で大統領選挙が行われ、即日開票の結果、野党ハンナラ党イ・ミョンバク(李明博)氏が大差で他の二人の候補を圧倒し、勝利宣言をした。韓国は10年ぶりに保守勢力が大統領の座を取り返した。キム・デジュン(金大中)氏、ノ・ムヒョン氏が政権を担った10年間は経済がやや停滞し、失業者の増大、大学生の就職難等で経済復活の声が強かった。大阪に生まれ四歳まで日本で育ったイ氏は、貧しい生活の中で若くして現代建設の会長にまで上り詰めた。ソウル市長として実績を重ね、今年大統領選へ立候補した。

 それにつけても進歩、革新政治と言われもてはやされながら、反って経済格差を生んで国民の間に失望感を与え、ノーベル平和賞受賞者でもあるキム・デジュン氏のカリスマ性を継承出来なかった、ノ・ムヒョン氏が作り出した倦怠感は一体どこに失敗の真因があったのか。

 15日に小中陽太郎さんから11月12日、13日付中日新聞夕刊のコピーをいただいた。「いま甦る二つの真実」と題して金大中事件とハンガリー事件について書かれたものだ。金大中氏がKCIAによって滞在中の日本で拉致され、韓国へ連れ去られ自宅軟禁から解放された直後に、小中さんは金氏のソウル市内の自宅を訪ね会見されておられる。光州事件連座で死刑まで求刑されながら、金氏はアメリカの圧力でアメリカへ出国した。小中さんはアメリカでも金氏と連絡をとっていた。

 アメリカがこれほどまでに金氏を保護しているのに、日本政府は保護しようとせず、謝罪もせず、韓国政府に抗議もしていない。ファジーな政治解決は、10月に韓国の国家情報院が「金大中事件」の報告書を公表したことで、一件落着とした。

 小中さんは、ベトナム戦争中に米空母「イントレピッド」の4人の水兵が脱走し、べ兵連が彼らを匿っていると記者会見を開いたが、小中さんはその内の水兵のひとりを1年間自宅に匿っていたというからすごい。

 話が脱線したが、金大中氏は良識の人であった。ノ・ムヒョン氏もそうであろう。しかし、世間は良識だけではだめだ。選挙の質が落ちたことも遠因としてあるのではないか。5年前の投票率は過去最低の70.8%だったという。だが、若者が期待され、今回選挙権が20歳から19歳にまで引き下げられながら、更に投票率が低下するらしい。若者が期待するイ・ミョンバク氏だが、獲得率は上がっても絶対数は必ずしも上がっていないのではないだろうか。専門家の論評を知りたい。

2007年12月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com