高校の1年先輩の神沼克伊さんから最近出版されたばかりの「白い大陸への挑戦~日本南極観測隊の60年~」と題するご著書を現代書館から贈っていただいた。理系書で一般には分かり難い地球物理学という学問を南極探検の冒険話やエピソードを交えて書かれた専門書と言えるようだ。神沼さんは、現在国立極地研究所と総合研究大学院大学の名誉教授で、私の兄とは同じ理系で高校時代の親友だった。わが家にも何度か遊びに来られたので、昔は私も神沼さんをよく存じていたが、兄の結婚式でお会いして以来しばらくお付き合いがなかった。昨年高校の同窓会でお会いした際拙著を差し上げたご縁で、南極関係の著作の出版についてご相談を受けた。今年は日本が南極探検を始めてから60年目の記念すべき年に当るので、関連の本を出したいが、理系書は出版社があまり乗り気にならないので、知っている出版社があれば紹介してもらえないかとの話だった。それなら可能性は確約出来ないが、拙著を発行してくれた現代書館を紹介しましょうということになって、今日手にした神沼さんのご高著出版に至った次第である。
偶々紹介して差し上げた出版社から願い通り労作を世に出して、地道な南極関係について普く知られることは、著者の神沼さんにとって大きな喜びであると思う。私も多少なりともお役に立てて良かったと嬉しく思っているし、兄も喜んでくれている。
神沼さんは、大学から一貫して地球物理学の道を歩み、今ではわが国におけるその分野の第一人者として知られている。難しいご著書かも知れないが、これを機会に少しでも分かるよう私も勉強したい。
さて、今日テレビ東京「ニュース アンサー」プロデューサー、松岡謙二氏へ宛てて先日いただいた手紙に対する返信を書き送った。松岡氏からいただいた書状は、番組プロデューサーとして同社高橋社長に郵送した私の書留便に対してことの経緯と事情を説明した回答である。メディアというのは、言論の自由を声高に叫んでいながら外部からの意見には頑なに耳を貸そうとはしないものだ。朝日新聞しかり。同様にテレビ東京も中々問い合わせや質問には素直に応えてくれず、代表取締役である社長に丁寧に質問を列挙した書状を送り、漸く番組プロデューサーから返事をもらったという次第である。一方、朝日については、依然として顧客担当部長から逃げ腰で中身のない手紙をもらっただけである。
今回の事の始まりは、テレビ東京が先月1日に放映した番組「アンサー 潜入テレビ初! 飢餓の島で見た戦争」で、民間団体がガダルカナル島で行った遺骨収集作業について、重大な事実誤認の報道を行ったことである。これに対して再三テレビ東京へ照会し、質問した挙句に、漸くもらったプロデューサーからの返書の中身にどうしても納得が行かなかった。私自身長年に亘って厚生省の戦没者遺骨収集事業に関わった実体験から、報道の内容はかなり間違っていたことを伝えて、注意を促し、訂正を求めたものである。今日社長へのコピー郵送と併せて、プロデューサーに返信に書かれた説明ではとても納得出来ないし、視聴者に間違った情報を伝えたままであると再質問状を送ったところである。朝日のように都合が悪くなると頬かむりをするのか、真摯に応えてくれるのか、誠意ある返事をしばし待ちたいと思う。