過激派組織IS(イスラム国)は、シリア国内のIS拠点空爆を行った仕返しにパリのテロを引き起こしたと言った。これに対してフランスは、対決姿勢を露わにして米軍と協力して今日シリア国内のISの拠点を電光石火攻撃した。ISは「オランド大統領がシリアへの攻撃を止めない限り、フランス国民に安全はない」と脅したが、対するオランド大統領は「再びテロを起こさせないようにすべての力を使う」と強く言い返し、空爆を即座に実施したのである。今のところ両者の舌戦は始まったばかりである。この後どんな事件が起きるのか、不安でならない。
一方、トルコで開催中の20カ国・地域(G20)首脳会議では、国際的なテロ対策を協議し、国境管理を厳格にし、同時にテロ組織の資金源を遮断するため、活動を支援する個人や団体の金融資産の凍結など金融規制を強化する方向で話は進んでいる。
日本でも昨日フランス大使館で犠牲者を悼む集会が行われ、門前には多くの人々が訪れ犠牲者に哀悼を表し花束を捧げていた。東京タワー、東京スカイツリーではフランス国旗の三色のライトアップで弔意を表した。一方、エッフェル塔は普段派手にライトアップしているが、昨日は逆に弔意を示して消灯した。近くの駒澤公園でもライトアップしたと聞いたので、夕方になってウォーキングに出かけたところ、広場の塔は暗いままだった。エッフェル塔に右へならえかと思っていたところ、5時きっかり時報の鐘が鳴ると同時に三色の明かりが灯った。暗い夜空に鮮やかに映える。散歩の人たちやボール遊びをしている子どもたちも点灯と同時に、見とれていた。私も思わず青、白、赤の三色の蛍光ランプの幻想的なライトアップの前でしばらく佇んでいた。
それにしても日本でフランスを象徴する派手な三色旗の明かりが見られるのが、テロによる犠牲者の鎮魂とは悲しく寂しいものである。
しかし、今日イスラム教と外交問題専門家たちの話を聞いていると、今まで他人事だと思っていたテロが、日本でも起こされる可能性があるということにちょっと心配になって来た。その理由は、今年1月後藤健二氏らが殺戮された際、IS兵士が日本に警告を与えたこと、日本が欧米諸国とともにイスラム教徒を打ち破った十字軍一個師団と見られていること、そして安保関連法案成立で自衛隊の中東派兵が可能になりその行動次第ではイスラム教徒に敵対視されるようになるからである。
夜になってISがネット上に報復を宣言した。嫌な雰囲気になってきたものである。