数日前ロシアの戦闘爆撃機がシリア・トルコ国境周辺上空でトルコ戦闘機により撃墜された。トルコ側は、トルコ機は領空侵犯のロシア機に対して再三退去するよう警告したが、警告に従わず撃墜したと報道した。一方、ロシアはトルコ領空を飛行していなかったと反論し、両国の対立はエスカレートするばかりである。同じ敵であるIS施設を空爆することが両国共通の目的であり、このまま対立が続くようだと、ISにとっては思う壺であり、有志連合側にとって最大の目的であるIS殲滅作戦が厳しくなる。
ロシアでは2人の搭乗パイロットのうち、帰還出来た1人が領空を飛行しなかったと述べ、トルコ側の警告もなかったと主張するばかりである。トルコも自国の立場をアピールするため、警告した証拠として警告の録音記録を公表したが、ロシアのプーチン大統領がそれは編集して作成されたものだと頭から信用せず、トルコを非難するばかりである。両国の対立がプラスに作用しないと見た有志連合各国からロシアとトルコに対して行動を自重するよう促しているところである。
さて、夕方になって慌ただしくオーム真理教関連ニュースが入って来た。20年前発生した地下鉄サリン事件の際危険物を運んだ罪と都庁爆破事件に関わった罪で、東京地裁の一審裁判員裁判で殺人未遂ほう助容疑で懲役5年の有罪判決を受けた菊池直子被告が、今日の東京高裁判決で一転無罪となり即日釈放されたのである。
テレビ・ニュースでは各局とも時間をかけてかなり詳しく伝えているが、この判決は事件発生の事実と被告の長期間逃亡の因果関係が、中々理解出来ず、どうも釈然としない。検察も納得出来ないらしいようで、いずれ上告することになるのではないだろうか。菊池は運んだ中身を知らなかったと言い張り無実を主張していたが、結果的にサリン事件を引き起こし、都庁内では職員が重傷を負う惨事を引き起こした。しかも事件が発生するや指名手配の中を17年間も逃げ回った行動には、果たして疾しさが一点たりともなかっただろうか。どうも理解しにくい。明日の朝刊各紙に詳細が詳らかにされるだろう。
これでは、完璧な裏づけが得られなければ逃げ得になるのではないだろうか。証拠がありそうな中で、疑わしきは罰せずでは事態は解決しないと思うし、今後の裁判にも影響が出てくるのではないかと気にかかる。