毎年2回行われる恒例の上野浅草フィルハーモニー管弦楽団の第59回定期演奏会が、今日浅草公会堂で開かれた。雷門周辺は休日というせいもあって外人を含めて観光客がいっぱいでごった返している。インバウンド景気が窺われる。
今日の曲目はドヴォルザークの序曲「謝肉祭」とチェロ協奏曲、そしてシベリウスの交響曲第1番だったが、残念なことに私にはいずれも馴染みがない曲である。今回は長年N響首席チェリストを務めた木越洋氏が特別出演し、チェロ協奏曲を堂々と演奏された。流石にN響で活躍されたチェリストだけにその演奏は圧巻で素晴らしく、聴衆も聴きほれていたようだった。シベリウスの交響曲では、他のチェリストたちの間に入って、一チェリストとして演奏されていたのが微笑ましかった。
余談だが、現在のN響首席チェリストは藤森亮一氏であるが、不思議な縁と言っても良いだろうか、藤森氏の母親律子さんは京都市立上桂中学のクラスメートである。
それにしてもチェリストたちの間に入って、ゼミ仲間の赤松晋さんが頑張っていることには脱帽である。アマチュア楽団とは言え、日頃の練習は本番が近付いてくるに従い、厳しさが加わるようだが、奥さんの内助の功もあり毎日精一杯練習をしているようだ。全団員の中の最年長というハンデを克服して今年で9年間も続けているのは、いくら好きな楽器の披露とは言え凄いことで頭が下がる思いだ。
終演後、いつも通り永井荷風お気に入りだったステーキハウス‘ARIZONA’で、ゼミ仲間が貸切の懇親会を開いた。演奏を終えたばかりの赤松夫妻も参加して、和気藹藹の内に楽しい会食会で時を過ごした。こんな風に半世紀以上の付き合いのゼミ仲間と楽しいひと時を過ごせることは、何物にも代えがたい楽しみであり明日への活力に繋がる。次回は来年7月3日である。これも楽しみに待ちたいと思っている。