7人制女子ラグビー日本代表チームは、昨日秩父宮ラグビー場で行われた対カザフスタン戦に14-7で勝ち、リオ・オリンピック出場が決まった。先日行われた男子7人制でもすでに出場を決めている。今年のワールド・カップの15人制チームの善戦に次いで、7人制男女チームともオリンピック出場権を獲得して、今年の日本ラグビー界はウハウハである。この好ましい傾向が来年度以降も継続されるなら、日本のラグビー界にとってこれほど素晴らしい1年はなかったと言える。
しかし、今のムードに少々心配な点がある。その最大の難題は、日本代表チームの次期監督が中々決まらないことである。すでに前監督というか、ヘッド・コーチだったエディ・ジョーンズ氏は、イングランド代表チームの監督に決まった。エディならかなり期待が持てると4年前日本チームのヘッド・コーチに就任した際の、エディの金銭面と指導面の受諾条件は厳しかった。4年間の合宿中あまりにも厳しいトレーニングを課して一部選手との間で練習方法を巡って揉めた。ワールド・カップ出場チームの中でも最も過酷なトレーニングだったと噂され日本チームの合宿だった。しかし、エディは実績を以って自らの指導法が正しかったことを見事に証明して見せてくれた。
このエディの指導法、そして後継路線が、現在のラグビー協会内ではあまり評価されていないらしい。それが「選択」11月号の「ラグビー協会で『守旧派』が復活」に詳しく書かれている。つまりエディのようにあまり我を通すような厳しい指導法は、日本チームには合わないと考えているようなのだ。それがため、最有力候補と見られ、厳しい指導で知られ実績を残しているヤマハ発動機の清宮克幸監督が敬遠されているという。「選択」誌もこのまま弱かった以前の日本チームに逆戻りではないかと悲観的なリポートで纏めている。
いつまでも監督人事を放っておくわけにはいくまい。何とか早く決めないと時間的に苦しくなってくる。どこの組織にも複雑な内部事情はあるものだ。だが、目標はひとつ「日本代表チームを強化すること」である。そのための監督選出に気に入らない人事があるとか、適切な指導法ではないという斜視では、話にもならない。次期監督決定がいつになるのか分からないが、今年の代表チームの活躍に水を差すような決め方だけはしてもらいたくないものだ。