今朝の朝日紙上にメディア法の専門家、田島泰彦・上智大教授が、昨日気になって本ブログでも指摘したように、韓国の司法が同国外交省の要望を斟酌したとの疑念を生じさせた産経新聞前ソウル支局長の朴大統領に対する名誉棄損罪の無罪判決について、司法への政治介入として憂慮していると語っている。名誉棄損罪としての起訴は無罪判決が出て当然であると考えているが、韓国の一部では厳しい見方もあった。それだけに政治的な動きと絡んで無罪判決が出されたことに、断言は出来ないが、行政が司法に踏み込んで相当の圧力と干渉をしたと思われても仕方があるまい。今後このような三権分立を損なう恐れがある裁判については、国内国外であれ、しっかり監視していく必要がある。
昨日はもうひとつ世界中が注目していたニュースがあった。やるぞやるぞと思わせぶりばかり匂わせていたが、ついにやってのけたのだ。昨日アメリカの中央銀行に当るFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が2008年以来続けていた国内ゼロ金利政策を終えた。リーマン・ショック以来の金融緩和策を止めることにしたのである。ただ、その原因とその結果がどうなるかが良く分からない。アメリカ国内の金利をこれまでの0~0.25%から、0.25~0.50%へ利上げすることが決定された。だが、この影響が吉と出るか、凶と出るか、普通人には見当もつかない。他国への影響も分からない。利上げの噂が出て一昨日以来、それまでの下降傾向だった株価が一転して上昇に転じている。
ところが、新興国や産油国では通貨下落の圧力を弱めるためだろうか、メキシコ、チリや中東諸国がアメリカに追随して利上げを決めた。今後更に途上国が追随するのか。
アメリカがゼロ金利政策を続けていた足かけ9年間は、これ以上アメリカに景気の悪化がなかった。景気の底だった。仮にそれ以上不況が深まればゼロ金利では経済が維持出来ない。0.25%に戻しただけでも景気対策に多少余裕が出来る。途上国にはゼロ金利のまま景気だけがアメリカに置いて行かれてしまう不安感があって、後先考えずに追随して利上げに踏み切ったのだろうか。
どうも理解し難い。