日本でも知名度の高い外国人による日本政治研究の第一人者として知られる、コロンビア大学のジェラルド・カーチス教授が75歳の今年を最後に大学を去る。大学の最終講義を終えた後「日本は復活したか?」と題したある討論会で教授は、「官邸に権力が集中しすぎており、自民党や官僚機構による健全な意味での『チェック・アンド・バランス』が働かず、民主主義の危機にある」と述べ、自民党については「政治家の教育システムが崩壊してしまい、若手の政治家には『本当の政治家の匂い』がしない」と語ったそうである。正に図星であり、この発言を聞いて嫌な予感がした世襲政治家もいるのではないかと思う。選挙で当選することだけを願い、日頃政治家として欠かしてはならない基本的知識の涵養、外交・経済・社会問題の研究、世間常識、公的精神、等々を磨かなければ、議場に座を占める意味がない。その点から言えば、政治家にはもっと厳しい責任と行動を求めなければならないと思う。
はっきり言って今メディアは、ごまめの歯ぎしりをしているに過ぎない。メディアには政治家は公のために奉仕するべきだという正論を、国民の声として行動に訴えるよう世論を盛り上げ、政治家がよこしまな気持ちを持たないよう監視する責任があると思う。
メディアがダメだから、政治家がのさばり、劣化するということを肝に銘じ幾度も反芻し、もっと政治家が反省するよう厳しい意見と対応をつきつけて欲しいと思っている。
さて、今月2日昔のプロ野球チーム「高橋ユニオンズ」の同窓会が銀座で開かれた。予め佐々木信也さんからそう聞いて、出席される元選手らに拙著を寄贈したいと申し出て佐々木さんに20冊ばかりお贈りした。どんな結果だったか、今日佐々木さんに電話で尋ねてみたところ、今まではどのくらいの規模だったか知らないが、今回は新たに元選手2名の他に、チームの元バットボーイや、高橋龍太郎オーナーのお孫さんら全員で19名が参加されたと喜んでおられ、拙著も出席者に喜んでいただいたと伺いホッとしている。
チーム解散後60年近くを経た元選手らが、ともかく一堂に会するというのは中々出来ないことだと思う。これも佐々木さんのような人間的に好かれる人が、お世話をしているからだと思う。私もちょっぴり関わることが出来て嬉しく思っている。