今日は冬至である。日中時間が1年で最も短いというニュースより、エルニーニョ現象による地球温暖化の記事が幅を利かせている。今月パリでCOP21が開かれ、世界196カ国が参加してその原因である二酸化炭素削減について長時間話し合ったばかりである。
今日の新聞記事の最大の話題は、いずれもスポーツがらみで朝刊が国際サッカー連盟(FIFA)会長ゼップ・ブラッター氏と副会長ミシェル・プラティニ氏の汚職に伴う8年間の資格停止処分である。夕刊は散々世間を騒がせた新国立競技場の建設案が決定した話題である。
前者では、2人のFIFA実力者が個人的欲望から職権を乱用して長い在任期間中に悪事を行っていた。テレビ放映権料など公金を私用に使っていたこと以外にも、ワールドカップ開催地決定に権力を行使して、賄賂を得ていたというから欲の皮が突っ張った言語道断の行為である。しかも、ブラッター氏はFIFA事務局長として17年、会長として17年の計34年間FIFA内に留まっている。この間に内部で着々と実力と影響力を培ったのだろう。会長はこれを機に職を去り、副会長は次回会長選への立候補が難しくなった。
しかし、2人はこの処分を不服としてスポーツ仲裁裁判所に訴えていきたいというから往生際が悪い。今や世界でも最も人気のあるスポーツであるサッカー界のトップが、このような非道徳的なことを行うとは何とも嘆かわしいものである。
後者は、「木と緑のスタジアム」をコンセプトにした建築家・隈研吾氏がデザインした案を大成建設が施工することで採用されることに決まった。隈氏は法隆寺五重塔にヒントを得たという。一見して最初のザハ氏のデザインに比べて、全体的に日本の環境に馴染んでいるし、ド派手な感じがしなくて東京オリンピックには合うような気がする。結果オーライだが、今回のドタバタはいただけない。後はエンブレム問題が一日も早く片付くよう希望する。そして、新競技場建設が工期に間にあい、2020年に晴れてオリンピックが遅滞なく開催されるよう願うばかりである。