今日は新聞もテレビも小沢民主党代表の辞任のニュースで持ちきりである。朝日新聞は1面から3面まで全スペースを費やし、4面もほとんどが小沢代表関連記事で埋め、そのせいで昨夜来日したプーチン・ロシア首相関連ニュースは4面の最後のスペースに申し訳程度にしか取り上げられていない。そのプーチンは、麻生首相との首脳会談でも記者会見でも、北方4島返還問題について一切言及しない。ところが森喜朗元首相が昨日プーチンと個別会談を行った際、イルクーツクで両首脳が合意した2島返還から話をスタートさせるのが賢明と話を合せた。しかし、この話はその当時田中真紀子議員を始め、日本国民から総すかんを食ったはずである。性懲りもなく再び2島返還をベースに話を進めればよいと森元首相はプーチンに入れ知恵したのである。プーチンにすればタナボタ式に活路を開く境地になって嬉しかったのだろうか、自分もそう考えていると応えた。
北方領土返還交渉はどうなっているのだろう。日本の元首相が日本にとっての懸案事項をロシアに有利なアドバイスをするという驚くほど馬鹿げた話である。これだから、政治家なんて信用されなくなるのだ。国家に対する背任行為ではないのか。森は重罪人である。つい先だっても谷地・元外務次官が3.5島返還論を持ち出して物議を醸したばかりである。何とノー天気なことよ。
小沢民主党代表辞任事件に視点が吸い寄せられている内に、程度の低い政治家が国を欺こうとしているのである。プーチンの行動の監視は勿論であるが、お粗末な政治家の行動も執拗に監視しなければいけない。
中国四川省で大地震が起きてから今日で1年になる。復興作業は遅々としている。ついに再興不可能と判断された四川省北川県では、町全体を放棄することになった。生き残った全住民が町を離れることになった。永久に町を捨てるのである。人々が立ち入ることは禁止され、遥かに眺めるだけになった。こんな悲惨なことがあろうか。ましてや住民にとっては亡くなった家族がその町のどこかに放置されたままになるのである。
この地震では学校や病院のような公営施設がもろくも崩壊した。手抜き工事が原因と指摘されているが、中国政府はそれを認めようとしない。それが原因で下敷きになって死亡した遺族と政府が対立している。再建される建物を見ていると、建築法が厳しくなったとはいえ、素人である私の目から見ても耐震性が充分とは思えない。以前と同じように壁は日干し煉瓦を積み上げているだけのように思えた。
元通りに戻るのは、住民には厳しく聞こえるかも知れないが、遠い先の話だろう。
妻が森光子主演の「放浪記」を観劇に行った。89歳の誕生日の9日に2千回公演を果たした。妻によれば、近々国民栄誉賞受賞との噂もある森光子も、休憩時間を含めて4時間の公演は流石に大分お疲れだったようである。しかし、たいしたものである。