735.2009年5月18日(月) スリランカ内戦終結か。

 昨日スリランカの反政府武装勢力LTTEが追い詰められた状況について本稿に書き込んだところ、今日になって慌しく新聞・TVが取り上げ俄かに大きく報道され出した。LTTEの指導者プラバカラン議長が殺害されたらしく、急速に内戦終結へ向かっている。LTTEは敗北宣言を出し、「人間の盾」にされた民間人は続々解放されている。その数7万人と言われている。普通なら敗北宣言まで公表すれば、終戦となるのだが、政府軍はLTTEに対して最後まで徹底的な攻勢をかけようとしている。まるで蜂の巣殲滅作戦である。この動きに対して流石に各国政府や国際人権団体が懸念を表明している。

 しかし、この国の内戦には当然ながら複雑な国内事情がある。宗教が絡んだ民族対立である。スリランカは元来人口ではシンハラ人が圧倒しているが、ヒンドゥー教徒の多いタミール人がシンハラ人有利の政策に対して分離独立運動を起こし、それが政府軍とタミール人武装勢力の間での戦闘となり最近激化していた。

 昨年多摩大学の公開講座で講師を務めた明石康・元国連事務次長がシンハラ人とタミール人との対立解決のために、スリランカへもしばしば出かけると述べておられた。日本ではこの民族対立はあまり伝えられていない。しかし、どこの国でも大なり小なり国内問題を抱えているのだ。そこに民族とか宗教対立が入り込むと余計厄介になる。その意味では幸いにも日本国内には民族問題も宗教対立もない。だからと言って知らんふりでいるわけにはいかない。やはり、相当な関心を持って見ないと、世界の情勢が分からなくなってくる。日本人が世界の動静に案外無関心で、国際問題に対して的外れな見方をするのも、案外日本人の日頃の国際問題への無関心が影響しているからではないか。ともかくスリランカの内戦は幸い間もなく決着がつきそうだ。

 さて、新型インフルエンザによる感染者は一昨日から急に増えて深夜近くなって158人になった。海外旅行者ではなく普通の高校生が関西地区を中心にこれだけの広がりを見せるところを見ると、どうも以前からすでに国内感染者は発生していたのではないかと言われ出した。大阪市内では1週間の休校となって、修学旅行に出かける生徒たちも駅まで来ていながら旅行中止の憂き目を見ている。もう少し早く通達を出してやれば、学校側もこういう無慈悲な対応をしなくても済んだのにとつい同情したくなる。このまま感染は広がる一方なのだろうか。もしそうなら、社会の活動も麻痺するのではないか、そんなことを大阪府の橋下知事が言い出した。各自治体も対応に追われててんてこ舞いの有様である。

2009年5月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com