737.2009年5月20日(水) 先行きの暗い経済としたたかな役人

 今日内閣府が発表した2008年度第4半期GDPが、対前年15.2%のマイナス成長となった。戦後最大の減少率だそうである。同じく発表された2008年度通年GDPも、実質で3.5%減、名目が3.7%減となった。いずれも戦後最大の減少率である。企業業績の悪化に伴い設備投資や個人消費などの内需も減少幅を広げた。下げ止まりの兆しは見えるもののまだ当分上向きの様相は見えない。

 関西に広がった新型インフルエンザの感染者がどんどん広がりを見せ、今日は滋賀県で大学生が、東京・八王子と川崎市内の同じ高校の同級生が感染したことが分かった。気の毒なのは修学旅行を始めとして、旅行客がキャンセルし出したことによって観光地に大きな影響が及んできたことである。懸念されるのは新型インフルエンザの影響によって国民の消費、サービスが落ち、益々景気に悪影響が出るかも知れない。新型インフルエンザが景気回復の足を引っ張っては泣きっ面に蜂である。

 夏のボーナスは大手企業ですら平均して前年に比べて約20%ダウンと言われている。中小企業にとっては、ほとんど期待できない。それが先日の人事院による国家公務員の夏のボーナス勧告は異例のダウンとのことだが、それでも対前年比約10%減のボーナスを大威張りでもらえるという。これは少々おかしいのではないか。公務員のボーナスはゼロでもよいのではないか。元来公務員にボーナスを支給すること自体、ナンセンスである。国民が汗水たらして企業で利益を生んだ結果のご褒美がボーナスである。自営業ならそんな法外なお手当てなんか望むべくもない。公務員のように予算達成の数値目標があるわけでもないのに、決まってご褒美がもらえることは何としてもおかしい。まして国家財政収支が毎年赤字になり、借金が増えるというのは、公務員が仕事をしていないひとつの証左だとも言える。会社でいえばボーナスをもらえる理由も根拠もない。なぜ役人ばかりがひとり好い目を見ることが出来るのか。

 毎度問題になる公務員の天下りにしてもこのところ反って増えている。天下り反対の声が上がると、公務員は国民の目に触れないように巧妙に自分たちの再就職先を探すのである。昨年夏福田内閣が成立させた国家公務員制度改革基本法は骨抜きになった。何ともしたたかな役人どもである。

 国家公務員には、ボーナスは諦めて月給だけもらうものだと割り切って欲しい。しかも財政の収支が伴わずに赤字決算の場合は、減給も覚悟してもらいたいものだ。自民党議員を中心に79人の賛同署名まで得て、幹部公務員の降格や降給まで踏み込んで検討していた中川秀直・自民党元幹事長や、塩崎恭久・元官房長官らの良識ある声はどうなったのか。公務員制度改革は完全に失敗に終った。それにしてもあまりにも役人に対して甘い。これは絶対おかしい。

2009年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com