741.2009年5月24日(日) 恥辱の韓国大統領史

 朝刊は昨日自殺した盧武鉉・韓国前大統領の記事で埋め尽くされている。目を釘付けにされたのは、歴代韓国大統領の不審な出来事と不正事件による恥辱のオン・パレードである。盧武鉉氏ばかりでなく、その前任者・金大中、遡る金泳三、盧泰愚、全斗煥、崔圭夏、朴正煕、尹潽善、初代李承晩に続く1948年以来の歴代全大統領の実績がこれほどまでに恥辱に塗れていたのかと些か唖然とする。皮肉なことに、これらの人たちが良くも悪くも戦後の韓国をリードし、今日の繁栄した韓国に育て上げてきたことは紛れもない。

 個人的には小学生の頃勃発した朝鮮戦争時の初代大統領・李承晩と、足掛け17年に亘って権勢を誇っていた軍人・朴正煕が格別印象深い。

  李承晩は戦前日本人に虐待されたことをバネに戦後韓国最初の大統領の座に就いたが、一方的に公海上に李ラインを宣言して進入した日本漁船を国境侵犯として日本漁船を片っ端から拿捕して、とかく日本に対してきつい制裁処置を取った。日本人の逆恨みを買ったことは否めない。晩年は気の毒にも不正選挙が原因で、学生デモに追い出されるようにしてハワイへ亡命した。末路はあまり幸せとは言えないようだった。

 日本の陸軍士官学校を卒業した朴正煕は軍をバックに磐石の態勢を固めたが、ブルータスの如き側近に射殺される悲劇によりその座を去った。その暗殺事件直後に初めて韓国を訪れた時、ガイドさんから朴大統領に纏わる話をじっくり聴いたことを懐かしく思い出す。いずれにしろ個人的なスキャンダルでないにせよ、亡命とか暗殺で栄光を閉じるのは何ともおどろおどろしい。

 こうしてみると民主的な選挙で選ばれ、実績を残し、惜しまれながら身を退くという理想的なパターンは、そう多くはないことに気づかされる。軍部クーデターや不正選挙による政治にだけはなってもらいたくないものである。

 今日大相撲夏場所千秋楽は、優勝決定戦の末、大関日馬富士が横綱白鵬を破り初優勝を飾った。その後の優勝インタビューで、日馬富士がお世話になった周囲の人びとに対して感謝の言葉を述べていたのが初々しく好もしく感じられた。特に、両親に対する感謝の言葉を何度も何度も述べたことに聴いている人は感動を憶えたらしい。恥辱に塗れた相撲界にもこういう素直な若者力士がいるということを嬉しく思った。これほど強いスポーツマンでもこのように謙虚で親を思う気持ちをいつまでも持ち続けていることに心を打たれた。1日ですっかり日馬富士ファンになってしまった。これからも横綱を目指して精進して欲しい。

2009年5月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com