知研「出版プロジェクト」で、ドイツ証券副会長・武者陵司氏へインタビューした。景気予測がやや楽観的として注目されている実務派である。東京メトロ・銀座線溜池山王駅の真上に建つ山王パークタワーの19階をいつも通りプロジェクト・メンバーとともに副会長室をお訪ねする。出版社担当者とカメラマンも同行した。
最初は応接室を用意していただいたが、普段通りの仕事ぶりを写真に撮りたいとの出版社の希望もあり副会長室に変更してもらい、そこでインタビューということに相成った。予め質問案をお送りしておいたので、ほぼそれに沿って私がインタビューした。同席した八木哲郎・知研会長もいくつか追加質問をされた。
横浜国立大経済学部卒業後大和証券へ入社されたが、証券会社は特別に入社を希望したわけではなかったそうである。特に印象に残っているご回答は、情報元は「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙だということと、日本人の若者が国際社会で活動するために必要なことについて、先日北康利氏と同じ質問をしたが、答えはこれも北氏と同じ英語に強くなることだと仰った。武者氏の考えは、北氏と若干異なり、人口1億人の日本人しか話さない日本語では世界の中では通用しない。やはり英語でないと世界と交渉する力になり得ないとの見解である。直ちには納得し難いが真理を突いていることも事実である。7時から新宿のプロジェクト会議で今後のプロジェクトの進捗を確実に、かつ早めに進めることを申し合わせた。
また厄介なことが起きた。突然北朝鮮が地下核実験を行ったのである。3年ぶりの実験だ。先月ミサイル発射を行ったばかりである。明らかに世界へ向けた挑戦である。北朝鮮にすれば意図的な軍事行為である。これで巨大核保有国は9カ国になる。つい最近オバマ大統領が核不拡散の方針を打ち出し、日本をはじめ核に反対する国々から拍手を浴びたばかりである。
北朝鮮の露骨な核実験に対して、日本は直ちに国連安保理事会に緊急会合の開催を要請し、新たな制裁決議を求める方針である。アメリカ、ロシア、中国も厳しい非難声明を発表した。当分朝鮮半島は緊張し、北朝鮮の動きを神経質に監視しなければならない。今後の成り行きが注目される。