752.2009年6月4日(木) 天安門事件から早や20年

 かつては6月4日を飛行第六四戦隊(通称・加藤隼戦闘隊)にあやかって六四会の日として、毎年のように幹事だった西沢敏一さんと一緒に靖国神社へお参りしていたものだったが、その西沢さんが亡くなられてから、慰霊祭にも参加することがなくなって今日が六四会の日と結びつくことがなくなった。

 やはり、今日は天安門事件の日だ。20年前民主化を求めたデモ隊に対して軍が発砲した弾圧である。当時の江沢民・国家主席が1党独裁による共産党支配体制に傷がつくのを恐れてデモを武力で鎮圧したのだ。国家による人民虐殺である。中国政府は一連の運動を不満分子のテロ・動乱と位置づけ、総括処理しようとして、詳細を明らかにしようとしない。決して自分たちの対応が間違いとは言わない。民主化運動を弾圧したことを社会的「風波」と呼んでいる。国民の目を逸らそうともしている。

 世界中の注目を集めた中国人の民主化運動とその主役を担ったウアルカイシ氏ら学生リーダーたちのエネルギーは間違いなく中国政府の心胆を寒からしめた。今中国政府は徹底して事件を封殺して、新たな民主化運動が起きるのを極力警戒している。

 あれからもう20年の月日が経つ。当局側の発表した事件による死者は319名だが、実際にはその2倍を遥かに上回るといわれている。今でもその傷は深く残っている。中国政府は公に報道されることを極力避けようとしてあらゆる手段を講じている。20周年記念として呪わしい事件が意に沿わぬ形で報道されることを封じ込めようと必死である。実際今日NHK北京で中国国内向けに放映された、事件の映像が放送中に突然消えた。画面は真っ暗になった。中国当局が好ましくないとして画面を消したのだ。外国の放送に対する報道管制以外の何者でもない。まったく問答無用である。自由なし、言論なし、人権なしである。温家宝首相の言葉にも呆れる。国家は3権分立を求めないと言っている。これが果たして民主国家だろうか。アメリカ政府が天安門事件にからませて中国の民主化に注文をつけたところ、直ちに余計なことだといわんばかりにアメリカの認識不足と言い返した。中国は経済が順調に伸び、GDPも世界第2位のポジションが手の届くところに来て、経済力に自信を抱き、些か思い上がっている節がある。もう少し謙虚であってほしいと願う。

 この様子だとまだ中国の近代化、民主化は先だろうか。

2009年6月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com