854.2009年9月14日(火) やったぁ!イチロー、200本

 あまりぱっとしたニュースがない中で、MLBシアトル・マリナーズのイチロー選手が今日9年連続200本目の記念すべきヒットを打った。歴史の長いMLBでも過去に9年連続で200本以上のヒットを打った選手はいない。イチローが初めてである。イチローの記録は、8年連続200本以上を打ったウィリー・キーラー選手以来、実に108年ぶりだとして、全米でも絶賛されている。めでたい限りである。運が良ければ誰でもチャンスがあるのとは違って、例え強運に恵まれても実力が伴わなくては実現不可能で、その実力もスーパータレントでなければ達成出来ない記録である。東京では号外も発行されたし、ニュースはすべての夕刊紙のフロント・ページに掲載されている。

 イチロー選手を見ていると、確かに昔の選手とはタイプが違う。黙ってことを成すというタイプではない。ひとこと言っておけば小憎らしいタイプである。言っていることは、哲学的だったり、心理学者の発言だったり、市井の普通の発言だったり、意味不明だったり、とにかくその発言は含蓄にも富んでいる。まだまだやれる選手なので、連続ではないにせよ、10回も年間200本以上の安打を打ったピート・ローズの記録を抜いて、11年連続して200本以上を放って欲しい。

 一昨日の本欄に日本航空の再建問題に関してアメリカのデルタ航空に支援を仰ぐスケジュールに触れたら、今朝の新聞には早くも前の報道を混乱させるような内容が報じられている。何と交渉にはデルタばかりではなく、アメリカン航空が乗り出したとある。一昨日は世界一の航空会社、今朝は世界2位の航空会社が日航へ食指を動かした。嫁の貰い手が多いのは結構だが、その背景には複雑な理由もあるようだ。その最大の理由は、日航が「ワンワールド」航空連合に所属しているのに対して、デルタが「スカイチーム」航空連合に属しているからだ。この航空連合というのは、参加航空会社がお互いに共同運航、マイレージ、空港施設の共同利用などの提携関係を結び相互にメリットを共有しようとするものである。当然同じコンピューター・システムを利用している。仮にデルタから支援を受けるとすると、「ワンワールド」を脱退して「スカイチーム」に加入することになる。その辺りの手間、経費を考えて、どちらが得かと判断するわけだろう。しかし、すでに日航はデルタと実務的な交渉を始めているらしい。

 今後どういう動きになっていくのか分からないが、日航としてはあっという間に正念場を迎えてしまった。日航は脆弱な財務体質に加えて、旅客需要の低迷が追い打ちをかけて資金不足に追い込まれ、今期中に2,500億円以上の資金が必要と言われている。だが、デルタに決まるにしろ、アメリカンにしろ、支援策として得られるのは、高々数百億円でとても再建の切り札にはならない。結局高コスト体質を自力で改善しなければ、抜本的な再建にはほど遠いのではないかと思う。そのためには、赤字路線からの撤退、航空機投資の抑制、そして人員削減を含むリストラによってコストを削減することが肝要ではないだろうか。果たしてこれまで殿様商売を続けてきた日航に、腹を括るその覚悟があるだろうか。

2009年9月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com