前々から小中陽太郎さんと日本ペンクラブ9月例会後に仲間と一緒に新橋のヤキトリヤへ行こうと約束していた。今日は生憎酒のペンクラブ例会ともかち合ったが、こちらは失礼した。ペンクラブの例会は毎度どなたかがショート・スピーチをされるので、楽しみにしているが、今月はエッセイストの落合恵子さんのお話で、ユニークなキャリアを持っている方だけに以前から1度話を聞いてみたいと思っていた。
子どもの絵本についてトークをされた。クレヨンハウスを立ち上げた時の気持ちと、絵本を子どもだけでなく、親として、また老年者にとってそれぞれ必要なものだとの考え方を話された。
彼女がそもそもクレヨンハウスを始め、その後自然食品の八百屋さんを開き、オモチャ屋さんを経営するようになった理由と哲学みたいなものを話された。その原点は、シングル・マザーだった母親が育ててくれた子ども時代に絵本だけを与えてくれたことと、そのために他の絵本が読みたくなり本屋で立ち読みをした時に、ハタキで追い出された辛い体験から、子どもがハタキで追い出されず、椅子まで置いてある書店を夢見て始めたという。ヨーロッパの都市にはどこにも子どもの絵本を専門に売る書店があり、そこには時間を過ごすことが出来るよう椅子まで置いてあったことに気持ちを鼓舞されたと言っておられた。
落合さんは、アンチ・エイジングに反対だという。年とともに年齢を重ねることは決して嫌うべきことではないという。その点でアメリカ人のメイ・サートンさんに共鳴を覚えたという。サートンさんは「私から年を奪わないでください」と主張している。サートンさんは、顔の皺はこれまで自分が働いた結果であり、髪の毛が白いのは、生きるために役割を果たした実績であるとして、「老い」を決して卑下するようなことはせずに、反って年をとったことにプライドを持ち、老いていく人々を大いに力づけたいという。
話の中身は有意義であり、メリハリも聞いていて面白かった。流石にラジオ・アナウンサーを永年続けていた貫禄であろう。立食パーティの席でも隣の人たちと話してみて、落合さんの話は良かったと意見が一致した。
終って新橋の金陵ヤキトリ屋で飲み会を行ったが、これに大勢の人が参加したのも小中さんのお人柄であろう。大いに飲んでしゃべりあった。ここには、ペンクラブ常務理事の堀武昭さんも加わった。国際ペンの理事でもある堀さんとは、ベオグラードの山崎さんの話もあって、次回山崎さんが日本に来た場合一緒に飲もうということになった。明日韓国へ飛び、カナダのペンクラブ会長とともに来年改選の国際ペンクラブ会長選出のための根回しに活動するようだ。
その後小中さんと須藤甚一郎さんと自由が丘へやって来て3次会をやる。久しぶりに痛飲したのでかなり疲れた。