856.2009年9月16日(水) 民主党鳩山政権、晴れてスタート

 鳩山由紀夫・民主党代表が第93代総理大臣に就任して、鳩山内閣が発足した。首相自身は否定しているが、「小鳩内閣」と揶揄されるほど、小沢幹事長に影響されるのではないかと心配されている。

 しかし、長い日本の保守政治の歴史上実質的な政権交代が行われたのは、初めてのことである。その点でもわが国の政治史におけるエポック・メーキングな政権誕生である。

 早速閣僚名簿が発表されたが、亀井静香・国民新党代表が郵政・金融担当大臣として入閣したことは問題である。国民新党代表として閣内に入り新政権に協力するという点では、歓迎されるところだが、亀井氏の郵政担当というのはあまりにも危険である。郵政事業の見直しをやると力んでいたが、小泉政権に公然と反対して自民党を飛び出し、国民新党を結成して以来、自民憎し、小泉憎しの一点で、ほとんど私怨に近いほど郵政民有化を批判し、恨んでいた。郵政民営化はすべて悪であるとの執念に近い敵愾心は、あまりにも異常で、公平であらねばならない政治家として、しかも担当大臣の対応としては、鼎の軽重を問われかねないと少々疑問に思う。郵政民営化がすべて悪いわけではない。今の経済不況の原因まで郵政民営化のせいにして、自分は批判だけするというのでは、あまりにも身勝手で無責任ではないかと思う。

 実際今朝の日経紙には、「小泉路線の否定」という動機だけにこだわり、改革を逆戻りさせるのは得策ではないと主張し、更に郵貯資金から財政投融資を肥大化させたことが郵政民営化の原点だったという点、また売却手続きに批判が集まった「かんぽの宿」問題も、簡易保険加入者の資産で採算を度外視した施設を作らせた政官の甘えに根源があったと指摘している。

 同じく日経社説で郵政民営化を本質的に捉えて、肥大化した「官製金融」を民間の手に委ね、資金の流れを効率化していく改革は、日本経済の持続的成長に必要であるとも述べている。

 亀井氏ひとりの個人的怨念で国家事業を左右され、時計を逆回りさせられたのでは堪ったものではない。

 それにしても、また閣僚は若返ったなぁと思う。総理以下18名の閣僚の内に、私より年配者は僅か3人となった。それだけ昔のような派閥政治スタイルが廃れたとも言えるのかも知れない。

 ここ数日来日本航空の経営不安説が取り沙汰されている。昨日の国交省有識者会議では、今後3年間に地方空港を主に国内29路線を廃止するという荒療治に踏み込んだ。特に、地方空港発着便を廃止するという。先日オープンした静岡空港便も、神戸空港便も廃止とか、減便では、またまた地方の雇用問題を含め、地方経済にも大きな打撃を与えるだろう。リストラについてもグループ関係社員約6,800人を3年間で削減するという。半官半民だった大企業・日本航空もいよいよ赤壁の戦いに追い込まれるか。

2009年9月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com