今やほとんど関心が持たれなくなった二宮金次郎同様、お釈迦様についても学校で教わることが少なくなったようだ。そのお釈迦様の誕生日が旧暦の今日4月8日である。インドでは今では旧暦ではなく、新暦5月8日に誕生日を祝う「花祭り」を行っているようだ。小学生だったころは、二宮金次郎の立像がどこの小学校の校庭にも建てられていたものだ。今では近くの小学校の校庭にもほとんど見られない。同じようにお釈迦様に関する話も今ではあまり聞かれなくなった。学年は忘れてしまったが、小学生だった当時、お釈迦様の4月8日の誕生日を祝う文章が教科書に載っていた。うろ覚えだが、「今日は楽しい花祭り お釈迦様 天上天下を指さしてお立ちになっていらっしゃる~」という風に習った記憶がある。これは「天上天下唯我独尊」という仏教の教えとして伝えられているが、その後その唯我の「我」とは、自分という意味ではなく、「我々人間すべて」のことであると教わった。それにしても小学生に仏教用語を教えるなんてことは、現在の教育を考えると想像も出来ない。だが、我々は確かにお釈迦様について習った。そして微かにではあるが、今以て断片的に思い出すことがある。
各国へ課した関税で相手国を戸惑わせ得意になっているトランプ大統領は、「天上天下唯我独尊」の「我」を、「我々人間」としてではなく、自分ひとりが「天上天下唯我独尊」だと思っているのではないだろうか。常識もない御仁であるが、宗教心のかけらも見られない。
また、トランプ大統領は貿易相手国には悪評を買っているが、昨晩石破首相はそのトランプ大統領と電話会談を行った。首相は、日本にとって世界最大の投資国であるアメリカが関税を措置することにより、日本企業の投資が減退するとして見直しを求め、投資の拡大を含めた日米双方の利益になる協力の在り方を追求すべきであると要望したようだ。そのために、両国の担当閣僚の間で協議を続けることで合意した。早速その交渉を赤沢亮正・経済再生相に担当させると公表した。しかし、一筋縄ではいかないだろう。
トランプ大統領がアメリカ製自動車の輸出が非関税障壁によって制約されていると指摘したが、これはアメリカ側に日本では車が左側通行であり、ハンドルは右にセットされていてやや運転し難い。そのため日本人で外車に関心があっても乗り難いという点で、アメリカ車は避けられてしまう。その点ドイツは日本へドイツ製自動車を売り込む場合には、ハンドルの位置を右側から左側にスィッチして、日本車と同じにするため、外車販売ではドイツ車に追い抜かれている。この辺りを理解してもらわなければ、真面な話し合いにはならない。いままで思い付きだけで発言していたトランプ氏も少しは真実が分かりかけているのかも知れない。
この関税問題により、アメリカ国内でも物価高騰、経済停滞を懸念する空気が現れ、国民の間でも関税に反対の声が強く、50%を超えたという。連日ダウ平均株価は大幅な値下がりである。一方日本の株式市場もダウ価格の影響を受け、今日は反発したが、昨日の日経平均株価は2,644円も値下がりして史上3番目と言われる大暴落で終わった。
当分の間株価の変動も続くことだろう。アメリカも自己主張するばかりでなく、公平性などを考慮して多少は譲歩することを考えなければ、いつまで経っても問題は片付かないだろう。