6535.2025年4月4日(金) 「妖怪」トランプ課税に世界が憤慨・委縮

 昨日の夕刊と今日の朝刊1面のトップが、「米相互関税-日本に24%」との見出しでアメリカが貿易相手国に課した関税に関する記事で埋められている。すでに予兆はあったが、現実に高い関税を課せられれば、それが世界一の経済大国であるアメリカだけに世界経済に与える影響は大きい。アメリカが課したというより、トランプ大統領の独断により税金の取り立てを始めたという印象である。明日5日からほぼ全ての国や地域に対して、一律で10%の関税をかけ、そのうえでアメリカに対して高い貿易障壁を持つと認定した相手国には、一層高い税率を9日から適用する。これにより日本に対しては相互関税として24%を課す。但し、自動車については現在の2.5%と合わせて25%の追加関税となる。これらは日本側の非関税障壁が響いているらしいが、アメリカのいう日本がアメリカに対して設けている非関税障壁というのは関税率が46%に匹敵すると言い、日本側にとってはまったく思い当たらず言いがかりにしか思えない。これは相互関税どころか、相手国を痛めるトランプの悪知恵としか思えない。こんな荒っぽいやり方では、世界経済は大きく減退するだけだろう。

 相手国の失望を斟酌することもなく、身勝手なトランプ大統領は「4月2日はアメリカの産業が再生した日、アメリカが再び豊かになりだした日として、永遠に記憶されるだろう」とひとり悦に入り、アメリカ・ファーストとトランプの手柄だけを吹聴して浮かれている。とにかく有無を言わせず、一方的に押し付けた「トランプ家の借金回収」の印象が強い。当然相手国から厳しい反論や非難の声が聞こえる。最大のしわ寄せを受けたのは中国である。34%というから日本より10%も重い。中国から早速報復関税を実施するとのコメントが伝えられた。特にアジア諸国に厳しく、カンボジア49%、ベトナム46%、タイ36%のように厳しい関税となっているが、その理由のひとつには中国企業が関税を回避するためにこれらの国からアメリカに輸出していると指摘している。他にも20%のEU諸国でさえ反発している。西欧の同盟国の間では、アメリカへの疑念が渦巻いているようだ。特にフランスは、マクロン大統領が乱暴で根拠のない決定と非難したうえで、早速企業関係者らにアメリカへの投資を停止するよう要請した

 果たしてこの荒業をアメリカ国民は歓迎しているのだろうか。ひとり大統領だけがはしゃいで、外国の人びとを悩ませ、怒らせ、失望させている。このような自分勝手な大統領を支えているアメリカ人の本心はどうなのだろうか。

 「選択」4月号にあるジャーナリストが、あまりにも常識外れのトランプ大統領の言動に対して、「トランプよ驕るなかれ」と皮肉っている。「尊大、傲慢、居丈高、驕慢、横柄、権高、高飛車、自分勝手、傍若無人、傲岸不遜と思いつく限り並べてみても、まだ言い足りないトランプという妖怪に、世界が引っ掻き回されている」。

 これからトランプ大統領の4年間の長~い任期を考えるとゾッとする。在野にオズワルドはいないものだろうかとつい妄想してしまう。

 さて、お隣の韓国で今日憲法裁判所が、昨年12月国会で弾劾訴追された尹錫悦大統領に対して、裁判官全員一致で罷免を宣告し、尹大統領は失職し60日以内に大統領選が行われる。反対派が気勢を上げており、これから国内がもめることが懸念される。

 今年は日韓国交回復して60周年の記念すべき年でもあり、日本政府もその結果と行方を気にかけていただろう。尹大統領は親日的だったが、次期大統領の有力候補者「共に民主党」党首の李在明氏があまり日本に対して友好的ではないだけに、もしそうなれば日本政府にとって頭を痛めることになるだろう。

2025年4月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com