朝日朝刊一面の見出しと記事を見て愕然とした。朝日の通信員を務めていたパレスチナ人のマンスール氏が夕べのイスラエル空軍の空襲により亡くなったという悲しいニュースだった。他にもアルジャジーラの記者が死亡した。日本のメディアは、ニューヨーク同時多発テロに見舞われてから危険な土地の取材に日本人ジャーナリストを派遣することを控えるようになり、その代わりの役割を現地の人に委ねることが多くなった。実際NHK・TVを観ていてもイスラエルの大都市エルサレムには日本人社員を特派員として派遣しているが、危険なガザ地区では現地人がその職務を務めるというケースが多く見られるようになった。危険な地域では、日本人の視点から取材することが忌避されたのである。そして現地の写真をはじめ現地の生々しい取材記録は、外国通信社から入手したり、フリー・ジャーナリストに高い料金を支払ってドキュメント記事を入手したり、現地のメディア関係者を雇用する手段で対応しているケースが多くなった。このためにどうしても日本人的なアプローチや、視点に欠けて日本人の受け止め方とはややずれがみられたり、もっと突っ込んだ取材を求める声がある。メディア各社にしてみれば、不幸があった場合の故人の生涯補償金などの実負担から逃れられるという逃げ道はあった。だが、どうにも素直には納得出来ないのも率直な感想である。
マンスール氏と契約出来たのも、朝日が直接交渉し、採用したということではなく、氏が所属するNPO法人を通じて交渉し、契約したらしい。
これまで私は自分の講演の中で自らの経験上度々臨場感の大切さとか、現場に足を踏み込む効用を訴えてきた。現場でなければ分からなくて、どうしても記事や表現に臨場感や緊迫感が欠けてしまう。しかし、これこそが重要であり、これからもこの点を訴えたいが、一方でガザ地区のように危険が現実性を帯びてきたこともあり、難しい問題ともなった。
さて、午後3時に自由が丘で、新雑誌「イコール」の責任編集者である久恒啓一氏と雑誌の今後の進め方について話し合いをした。まとめて50冊入手したが、45冊ほどを知人に送った。雑誌は見た目もよく、図解により分かり易くなり彼らの評判も良い。「イコール」は季刊誌ということなので、年間4冊の発行を目指しているが、その内2冊が久恒氏が責任を持って編集長を務めるという。今日の話し合いの中で、副題である「アクティブ・シニア革命」について、すべてのシニア世代が何か目的を持って前向きに進むことを目指すようにしたいということである。私もシニア世代の中でも長老の仲間入りをしているが、久恒編集長の考えで「旅行」について、世界遺産とそれを造った人たちとの関係をまとめて欲しいとのことだった。例えば、古代エジプトの世界遺産の建設に携わった人々との関係性をどこまで出来るか分からないが、究明してみようと思っている。
この好雑誌を知的なものとしてステップアップする責任は重いが、大いに張り合いのある仕事でもある。これぞ「アクティブ・シニア革命」だと思っている。