今も延焼し続けている岩手県大船渡市の山火事は、昨日でちょうど発生以来1週間となった。昨日幸いにも久しぶりの降雨により大分延焼を食い止めることが出来たようだが、まだ鎮火には至っていない。今日も雨が降るようで、地元民は天の恵みと降雨を期待しているようだ。全国各地から応援の消防隊が駆けつけているようだが、すでに市内面積の内9%、約2,900㌶を焼失した。1日も早く鎮火されるよう祈っている。
一昨日以来関東でも山間部では降雪地域が多いが、テレビ画面を観ていて箱根を越える国道1号線上で連続的に車が追突事故や、道路脱落事故を映し出していた。今から60年前の冬を思い出す。会社の同期入社社員らと箱根へ1泊旅行にオペルに乗って出かけたが、生憎氷結した道路上で滑りブレーキを掛けたが及ばず、そのまま岩壁にぶつかってしまった。もうひとりの友人の車も少し離れた場所で滑って道路からはみ出してしまった。幸いひとりもけが人が出なかったが、目に見えない道路上の氷結には、怖さを感じたものである。
さて、一昨日来年度の国の一般会計予算案が衆議院を通過した。これから参議院で採決を採るが、賛成多数で成立するだろう。
少数与党となった自民党と公明党は、日本維新の会の高校授業料無償化の要求を呑み、国民民主党の「年収103万円の壁」は、一部123万円までは容認しつつも要望した178万円まで引き上げることは認めなかったので、国民は予算案に賛成しなかった。予算案は橋本龍太郎内閣以来29年ぶりに当初案を修正し衆議院で可決した。当初案より3千4百億円減の115兆2千億円となったが、それでも過去最大である。
少し前に東京都の来年度予算額が決定したが、一般会計は9兆1千億円、特別会計などを合わせて合計で17兆8千億円となり、対前年7.8%増である。東京都は東京都内にある企業の登記が多く、その点からも法人税収入が他府県に比較して、圧倒的に多く、その点では多少ゆとりがあるが、それでも都税収入は全歳入額の3/4であり、残りは東京都債を発行して補充している。しかし、世界的大都市だけに総額としては国家予算の7.8%の規模で、スイスの国家予算14兆7千億円を大きく上回るほどの高額予算規模である。
いずれにせよ、毎度気になるのは、予算案を決める国会議員らに財政健全化の認識が欠けることである。このまま年度を重ねれば、赤字予算の積み重ねにより国の借金は返済しようがないところまで行き着くだろう。こうした声が出ては消え、一時的に話題にはなるが、真剣に国家の問題と捉えていない近視眼の国会議員たちは、あまり真剣に国の財政の在り方を考えていない。借金が増えることより、これら国会議員らの認識の甘さの方がよほど気がかりである。