昨日TVニュースが2つの名物建物が昨日を最後に閉鎖されると伝えていた。ひとつは、日本を代表するミュージカルのメッカとでも言える帝国劇場であり、もうひとつは新宿東口前の商業ビル「ALTA」だった。前者については、この2週間最後の公演の最終日をミュージカルの特集として組み、昨晩日本TVで生中継していた。
ミュージカルは、日本では新宿西口で大テントの中で♪CATS♪を大分以前に見たことがあるが、それよりむしろ海外で多く見る機会があった。NYの五番街で♪CATS♪や、♪オペラ座の怪人♪を見たし、ロンドンでも同じものを見た。ショーの中で唄われるテーマソングが中々名曲揃いで、昨日は「日本人が好きなミュージカルの名曲30曲」と題して耳にしたことがあるテーマソングを、日本の名だたるミュージカル・シンガーが披露していた。このミュージカル・ショーを観ていたが、人気ベスト3は、1位♪民衆の歌(レ・ミゼラブル)♪、2位♪メモリー(CATS)♪、3位が♪オペラ座の怪人♪で、いずれもよく聞く名曲で、現場で何度か耳にした曲である。帝国劇場は、旧帝劇が1911年にオープンして以来114年が経つ。その後59年前の1966年に現在の帝劇に改築された。鉄筋ビルの耐用年数がちょうど60年だから、潮時と言えるのかも知れない。新帝国劇場は5年後の2030年に再び開業する予定である。
後者の商業ビル「ALTA」は、現役サラリーマン時代に近くに務めていたのに、ほとんど関心がなく、今テレビで画像を観て改めてこれが「ALTA」だと知らされた次第である。1980年に伊勢丹・三越が開いた商業用ビルで、近年営業成績が下降気味だったようで、再開業の予定はない。ビル内のスタジオでは、かつて人気TV番組「タモリの笑っていいとも!」が32年間に亘って生公開されていた。昨日は若い人たちがビルの前で写真を撮っていたが、そもそもビル内にはレストラン、カフェ、ファッション、雑貨店など若者向きの店が入っていた。
老舗というような施設が消えていくのは、寂しいことである。これも栄枯盛衰が激しい時代の流れと呼ぶべきだろうか。
さて、このところアメリカのトランプ大統領のあまりに傲慢で身勝手な言動に愛想を尽かし、話題にするのも腹立たしいと思っている。ところが、昨日ゼレンスキー・ウクライナ大統領が訪米し、日本時間の今朝明け方にトランプ大統領と会談した。それが話し合いどころか、ゼレンスキー氏がトランプ氏はウクライナの頭越しにロシアのプーチン大統領の言い分を聞き、ウクライナの支援や安全保障にあまり気持ちが向いていないと、トランプ氏を非難したことから会談は激論となった。首脳同士の会談がこのような口論にまでなるのは、前代未聞である。EU各国首脳は、いずれもウクライナの平和のためにともに取り組み続けると、ウクライナ支持を表明した。
そもそもこの会談が開かれたのは、トランプ大統領の虫のいい、ウクライナの地下埋蔵鉱物資源の権益を得たいという腹があったからである。これに対して、ウクライナは自国の安全を具体的に保証するよう求めたが、トランプ氏は安全の保証はヨーロッパ各国が担うべきだという考えを示したために、ゼレンスキー氏は契約に署名しなかった。
トランプ大統領は相当怒っているが、ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長は、「恩知らずの豚が、豚小屋の主人からしっかり平手打ちくらった」とトランプ大統領の肩を持った皮肉を込めた酷い言い方をした。
この行方は当分分からない。トランプ大統領が取り組むと収まっていたものまで壊してしまう乱暴者の印象が益々強まるばかりである。