今日は突然ロシア軍がウクライナへ軍事侵攻を開始して、ちょうど3年になる。この間すでにウクライナでは兵士4万人、一般人1万3千人、ロシアでは兵士9万5千人、一般民間人の犠牲者は不明である。ただいずれにせよ両国合わせて15万人近い犠牲者が生まれている。近々一方の当事国ウクライナを除いて、ロシアとアメリカの間で停戦へ向けた話し合いが行われると考えられている。アメリカのトランプ大統領は、ウクライナの地下埋蔵鉱物資源の採掘権を獲得することを要求し、ロシアは占領した地域を返還しないままに停戦しようというウクライナの気持ちを配慮することなく、両国の欲望が露骨に表れている。ともかくお互いに納得したうえで1日も早く戦闘を停止するべきである。
さて、昨日投開票されたドイツの総選挙の結果が、凡そ判明した。実際の得票率が事前の世論調査の結果とほぼ同じであることに少々驚いている。1位は、最大野党で中道右派の「キリスト教民主・社会同盟」で得票率は28%、2位が移民や難民に排他的な姿勢を掲げている右派政党「ドイツのための選択(AfD)」で21%といずれも世論調査と同じ獲得票数である。そして3位にショルツ首相の与党で、中道左派の「社会民主党」が16.5%だった。この結果により、再び連立政権が誕生することになろうが、第1党代表であるメルツ氏が首相候補としてクローズアップされている。
右派が勝利したことに対して、早速アメリカのトランプ大統領はドイツ国民に祝意を示した。その文言も「ドイツで保守的な政党が勝利を収めたようで、アメリカ同様にドイツ国民はエネルギーと移民に関して、長年に亘り優勢だった常識のない政策にうんざりしていた。今日はドイツにとって、そしてドナルド・トランプという紳士が率いるアメリカにとって、素晴らしい日だ。皆さん、おめでとう」という身勝手な中身である。トランプ大統領は、EUと対立しかかっているアメリカにとっては心強いドイツの保守政権の誕生になることをわがことのように喜び、心からの祝意を送っているのだ。
警戒しなければならないのは、第2次世界大戦へ導いたナチズムの素地のあるドイツに、またもや右翼、極右、ナチズムが芽生えてきたことである。これから心配なのは、仲間を得て大喜びのトランプ大統領が対EUで益々増長した力の拡大志向と、散々戦争には懲りたと反省していたドイツ人の間に問題解決のためには、戦争の怖さを知らない戦後派の政治家、国民が力を持ち始めて戦争も厭わない空気が現れ始めたことである。
今後EU内でのドイツの行動を注視していく必要があると思う。
ついては、国内における地方政治家の一連の行動の一部始終には呆気に取られる。兵庫県政のゴタゴタである。知事のパワハラ問題から、知事出直し再選挙実施、県局長及び議員の自死、その選挙に公職選挙法違反の陰が見え隠れする百条委員会と非公開資料の漏洩等々、不透明な事件が多発している。昨日斎藤知事の疑惑告発文書問題に絡んで、日本維新の会の3人の県議員が、立花孝志「NHKから国民を守る党」党首に真偽不明の文書や、音声データを手渡した問題について日本維新の会の3人は記者会見を行い、謝罪した。
しかし、いかに反省し弁解しようとも県民から預託を受けた県会議員である以上、議員の資質、常識に欠けている3人は即刻議員を辞めるべきである。常識的に考えても、選挙で一方に有利な情報を流したら公平感が消える。しかも情報を得た立花氏は、知事選に立候補しながらも端から当選する気がなく、現職知事の当選に一役買うために立候補したというから公職選挙を舐めている。そういう2馬力選挙というそうだが、公職選挙法上違法ではないかと漸く公職選挙法をチェックするようになった。それはともかくとしても、こういうレベルの低い県議員がいるようでは、兵庫県も他府県に置いて行かれるのではないか。3議員には生き恥を晒すことなく、直ちに職を辞することを求めたい。