6452.2025年1月11日(土) グリーンランドの領有権と新入社員の初任給

 トランプ次期大統領が、デンマークの自治領グリーンランドを領有することが、アメリカの安全保障上必要であると身勝手な購入の意向を示した。デンマーク首相は、グリーンランドは売り物ではないと強く反発していたが、それが領有論争のきっかけとなったのか、かつてはデンマークの植民地だったグリーンランドを現在自治区として自治政府を置いているが、そのエーエデ自治政府首相が、デンマークから独立を目指す意向を強調した。昨日同氏は、記者会見で我々はアメリカ人になることを望んではいないと述べ、同時にデンマーク人になることも希望していないと語った。

 グリーンランドは、人口5万7千人で土地は広大であるが、人口は少ない。しかし、本国デンマークから北極点を超えた遠隔の地にあり、住民にとってはデンマーク人とは同国人とは思えない。加えて1960年代に、デンマーク当局がグリーンランドで強制産児制限を行うなど非道な行為を行っていたことなどから、自治国内では独立の機運が高まっていた。領有意欲満々のトランプ氏にとっては領土拡大のチャンスでもあり、大統領就任後に露骨な要求をしてくるに違いない。

 折も折今日トランプ氏は、元不倫相手への口止め料支払いについて、記録を改ざんした罪状、何と34件について有罪評決を受けている裁判で、ニューヨーク地裁は罰金などの刑罰を課さない無条件の放免という、量刑を言い渡した。これによりアメリカ大統領経験者に対する史上初の刑事裁判は終わった。だが、トランプ氏は重罪で有罪判決を受けた初のアメリカ大統領となる。本人は自分への量刑言い渡しにフロリダ州からビデオリンクで出廷し、自分は「完全に無実だ」と相変わらず不満を述べている。実に恥ずべきことである。

 さて、近年人材不足などでサラリーマンの初任給を含め、給与が上昇しているが、一般財団法人労務行政研究所の調査によれば、2024年度の初任給は前年度に比べて16.1ポイント上昇し、学卒者23万9千円、短大卒者20万6千円、高卒者は19万3千円である。中にはそれを遥かに上回る初任給を支給する企業がある。例えば、東京海上日動火災保険㈱では、来年度の学卒者について、転勤を了承する人は41万円で、転勤を受け入れない新入社員は初任給28万円だそうである。余程転勤が嫌われているのか、これほど格差があるとは転勤をサラリーマンとして当然だと考える我々には、理解し難い。ユニクロを運営するファーストリテイリング社では、33万円、金融機関の三井住友銀行は30万円で、一般企業の平均初任給よりかなり多めである。

 当然のことながら、時の流れと物価上昇の影響もあるが、我々60年安保世代が卒業した1963年は、初任給は1万8千円だった。2か月後に最初の賃上げにより、1万9千6百円に上がったが、今から思えば随分少ない。それでも少ないという意識はほとんどなかった。今後年々初任給、一般の給与が上昇するであろうが、いつまでも上がり続けるのだろうか。これは、天井がないのだろうか。天井に近づいた時、社会はどうなっているだろうか。いろいろ興味が湧いてくる。

2025年1月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com