6440.2024年12月30日(月) 韓国内は大荒れ、カーター米元大統領死去

 韓国国内では大統領、首相が失職し政局不透明の昨日、国際線航空機が務安国際空港に胴体着陸しフェンスに激突して大惨事引き起こした。乗員乗客181名が搭乗していて、そのうち2名は救助されたが、他の179名は死亡した。韓国当局は、鳥が飛行中に航空機にぶつかったバードストライクの可能性を述べてい。しかし、イギリスの航空問題専門家は、滑走路の端から300余m離れたところに普通にはあり得ない外壁があり、そこに衝突したことが多数の死者を生んだ原因と分析している。

 韓国の航空機事故と言えば、1983年9月に大韓航空機がソ連領空を侵犯し、追跡していたソ連の戦闘機にサハリン沖上空で撃墜され、日本人28人を含む269名が亡くなった大事故を想い出す。韓国航空史上最大の事故として知られている。ソ連の同盟国だった東ドイツでは、この大事故を知っている人がほとんどいなかった。当時はまだ東西対立時代で、偶々事故の直後に東ドイツを訪れて、それとなく東ドイツの教育委員らにこの事故について尋ねたところ誰もまったく知らなかった。東独政府が同盟国の不届きな撃墜事故により厳しい批判を受けるのを懸念したのか、これほどの大事故をメディアでは一切伝えなかったのだ。当時の東欧社会には、報道の自由なんてまったくなかったことを存分に知らされたものである。その2年後にプーチン現大統領が、5年間に亘り東独のKGBに務めるようになった。

 それにしてもつい先日カザフスタンでアゼルバイジャン航空機が、ロシアのミサイルによって撃ち落とされたとの報道があったばかりである。ロシア側は意図的に狙って撃墜したことはなく、偶々事故により撃墜させてしまったとプーチン大統領も率直に認めた。アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、国営テレビで旅客機が電子妨害を受け、誤射により撃墜されたと述べ、ロシア側に責任を認め、関係者を処分するよう求めた。そんな事故が起きて間もなく昨日の韓国機の事故が発生したのである。   

 今回の航空機事故は、コロナ渦が消えて世界的に再び旅行ブームが訪れそうな時であるが、航空機に限らず、事故防止には万全を期してもらいたいものである。

 さて、今朝アメリカのカーター元大統領が100歳で亡くなったとのニュースが入った。カーター氏は1期4年間だけの在任だったが、その行動と実績には世界平和を希求する信念と気持ちがはっきり表れていた。中でも、1978年に長年対立していたイスラエルとエジプトの平和条約締結を決めた「キャンプ・デービッド合意」を仲介して中東和平に尽力したことが評価されている。翌年には、アメリカと中国との国交を樹立した。大統領就任前からとかくのホラ発言で有識者の反発を買っているトランプ次期大統領とはまるで反対の民主的、平和的実績により、2002年にはノーベル平和賞を授与された。

 実は今朝の朝日新聞「声」欄に83歳のデザイン事務所経営者がなるほどと頷ける内容を投稿したのを読んだ。その経営者は現代のアメリカ流民主主義が、トランプ氏を主とするアメリカ国民の選択によって人種差別、暴力教唆、地球環境無視、イスラエルへの異常な肩入れ等により、民主主義より自国エゴを優先する国になったことに失望している。まったくその通りである。カーター大統領ならこんな馬鹿げたことをしなかったであろう。事実カーター氏は、先の大統領選ではトランプ氏ではなく、ハリス氏に1票を投じていた。

 口さがないトランプ氏が、カーター氏の死去に対して何という弔辞を述べ、皮肉を言うだろうかと思いきや、意外にも「カーター氏は、偉大な人格、勇気や希望、楽観主義の持ち主だった。この国のすべての若者たちに、原則、信念、謙虚さを併せ持ったカーター氏のことを学んでほしい」と語り、カーター氏の国葬をワシントンで行う意向を表明した。しかし、若者に伝えようとしたカーター氏言動、生き方とはむしろまったくそぐわない、トランプ氏は自分自身にこそ突き付けるべきメッセージではないかと思う。カーター氏のご冥福をお祈りしたい。

2024年12月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com