昨日の本ブログに最近年賀状が減りつつあると嘆き節を書いたところ、今日の朝日夕刊に最近の世論調査の結果が報告されていた。年賀状を出さないと応えた人が57%で半数を超えた。やはりかぁと少々がっかりした。年賀状を出す人でも枚数は少なく、50枚以下が47%で私同様に200枚以上出す人は、ほんの1%と知り時代の流れを感じると同時に、最早年賀状自体の存在感が失われていると思った。寂しいことである。
さて、近年植民地という言葉があまり使われなくなった。それでいながら「旧植民地」という言葉はしばしば目にする。現実的にも大国の植民地というものが姿を消しつつある。大分昔のことになるので、最早忘れかけているが、経済学的には、植民地を所有する国を先進国と呼んでいたと思う。従ってドイツのように植民地を所有しない経済力のある国は、経済学的には先進国とは呼ばれなかった。
一方、フランスは今以て海外にいくつか植民地、或いは国が管理する疑似植民地のような地域を抱えている。実際今年開催されたパリ・オリンピックのサーフィン会場は、パリから遠く離れた南太平洋上のフランス領ポリネシア・タヒチ島だった。これがパリ・オリンピックと言えるのだろうか。これも戦前からのフランス植民地時代の名残である。
アフリカ東部のマダガスカルに近い植民地のひとつ、コモロ諸島のマヨット島は、現在植民地ではなく、フランス政府から自治権を与えられた海外県となっている。行政首長は、フランス大統領から任命された県知事である。
そのマヨット島に昨日風速225㎞の強大なサイクロン「チド」が襲い、複数の集落が壊滅状態になった。あまりの被害の大きさに現時点では、どれほどの犠牲者が出たのか不明の状態である。しかし、知事が地元テレビ局に語ったところでは、死者は千人から数千人に達するだろうという。元々それほど裕福な島ではないが、フランスの一部だとすれば、フランス政府も全力を挙げて支援を行うだろう。
久しぶりに知ったサイクロン被害により惨害を被った小島コモロである。
ところで、今日の朝刊を読んで愕然とした。自民党が2024年度補正予算、13.9兆円を近々国会に提出しようという矢先に、22年度の補正予算32兆円の内4割近い11.7兆円が年度内に使われていないことが分かった。かつてはこれほど多額ではなかった補正予算額が、コロナ後に急速に増額された。その理由も不明なうちに、新年度の補正予算を決めようというのだから拙速も好い所だ。大体補正予算自体はしっかり投資目標が決まっておらず、好い加減な投資対象と金額を決めているが、大雑把な金額で、とにかく予算を決めることに目が向いている。22年度に折角決めた補正予算が11.7兆円も使用されなかったというのは、ショックである。野党も勢力図を拡大させたことでもあり、今後同じような轍を踏まないようこれは厳しく追及すべきである。
専門家からも「国の予算の半分は借金。必要のない予算をつけることで規模が膨張し、財政規律のゆるみにつながる。経済対策としても疑問で、生きたお金になるように補正予算の編成を検証する必要がある」と厳しい指摘がある。
予算を策定した自民党には、確とした政策実行への信念がなく、野党には補正予算策定に当たり細かい分析や方針がなく、メディアにもこれを見逃したままにする無責任がある。国民を除外して関係者の間で身勝手な予算を作成し、これをフォローすることもなく、予算の締めにまで責任を取ろうとの気持ちがないようでは、国会議員としての責任を果たしたことにならないのではないだろうか。