今日は全国的に寒い1日だったようで、東京都内でも最高温度が8.4℃で今冬最低だった。北海道から東北地方、日本海側にかけては西日本地方にまでかなり積雪があり、猛暑に悩まされた今年もいよいよ本格的な冬がやってきたということである。
今月3日東京都議会本会議で小池百合子知事が、来年度から子育てと仕事を両立させるための部分休暇を取れる制度を導入すると述べた。そのこと自体はすでに公表していたことで承知していたので、抵抗はなかった。ところが、その内容に一部大きな問題があることが分かった。それは知らぬ間に来年度から「週休3日制」を実施することである。これについては、唐突に表沙汰になったことで、もう少し都の広報紙などで事前に都民に知らせるような配慮が出来なかったのか、1都民としては些か不満である。更に、寡聞にして知らなかったが、東京都が来年度から実施すると目論んだこの「週休3日制」が、何とすでに今年から茨城県と千葉県で導入されていたとは、2度びっくりである。
東京都はそれほど深刻な問題とは考えていないようだ。フレックスタイム制の運用で、4週間に155時間の労働時間を確保出来れば、現在の土日の休日に加えて1週にもう1日休みを取得出来るようにすることが可能だというのだ。現在1週5日勤務で、1日7時間45分の勤務になるが、これを月曜から木曜まで1日10時間弱働けば、金曜に休みを取得出来て、週休3日にすることが可能になるという計算上可能な制度である。当然現場で働くに当たっては、自己都合ばかり言えないので、金曜に休みを取れるかは難しいと思うが、随分考えたものだなぁと感心するくらいである。小池知事としては、これを定着させて都内民間企業でも導入するよう模範を示したつもりのようである。現状は、労働時間のやりくりだけを考えているようだが、このシステムを採用することによって、費用がいくらかかるのか、どれほどの手間がかかるのかは全く説明されていない。
必ずしも問題が絡みあうものではないとは言え、一方で今「103万円の壁」問題が政治問題化しており、解決に向けて国会で話し合いが続けられているが、働きたくても税金の壁により働けないという問題がある。小池知事の主張には、この「103万円の壁」が考えられているのだろうか。
さて、奈良県が主催する韓国人人気歌手が出演する「K-POPライブショー」開催が疑念を呼んでいる。これは来年奈良県と韓国・忠清南道が友好都市協定を締結してから15周年となるのを記念して、10月に奈良公園内で無料コンサートを実施する計画である。韓国の人気歌手が出演するよう計画を進めているようだが、9千人収容の会場設営費と警備費などで総事業費2億7千万円がかかる。それを無料で行うことには県議員の間からも、一過性のイベントは税金の無駄遣いとの批判の声が出ている。コンサート費用を含めた今年度補正予算は、来る16日に県議会で採決されるという。この計画は日本維新の会推薦で昨春当選した山下真知事の一存で決めたようだが、県内では維新と自民党との対立が激しく、先月の県議会で異例とも言える決算が不認定となった経緯もあり、「K-POPライブショー」実施もまだまだ一筋縄ではいかないだろう。
それにしてもこういう費用のかかるイベントを、いくら日韓友好のための行事だとしても事前の話し合いや根回しが必要だったのではないだろうか。どうもその辺りに拙速さを感じてしまう。