6401.2024年11月21日(木) 再選された兵庫県知事に露骨な賛否両論

 このところ有名人の訃報が相次いでいる。先月俳優の西田敏行が亡くなってから、声優大山のぶ代、日本画家上村敦之、漫画家楳図かずお、元第五福竜丸船長筒井久吉、詩人谷川俊太郎、俳優火野正平、そして昨日元横綱北の富士が亡くなった。他にもおられるが、知る限りざっとこれだけ一世を風靡した有名人が旅立ったことに、これらの人びとと個人的な交流はないが、浮き世の寂しさを感じる。それぞれに思い残すことはなく、精いっぱい生きたのではないかと親しい人たちは語っているが、それにしても近年他界した人たちの中には、私より若い人も大分含まれるようになった。まだまだ個人的には、やりたいことがあっただろう。私とて死地へ急ぐわけにはいかないが、父が93歳で永眠したことを考えると、私も余生は残り数年と考えて悔いのない人生を全うしたいと考えている。

 さて、去る17日に行われた兵庫県知事選挙で斎藤元彦・前知事が、県議会で全議員から辞職要求を一致して突き付けられ失職したにも拘わらず、選挙で再び知事へ返り咲いた。県内外を問わず、これをおかしいと思った人が大分いたようだ。中でも前川喜平・元文科事務次官がXに投稿した言動が、兵庫県民を愚弄していると大きな話題となり非難を浴びている。

 確かに投稿の主旨は理解出来るが、前川氏の表現が露骨過ぎる印象がある。前川氏は、斎藤氏が当選した翌日早々に、「『バ〇は死ななきゃ治らない』とは言わない。学べば治る。賢くなれる。斎藤を当選させた兵庫県民も」と投稿した。兵庫県民にとっては侮辱された気持ちになるのも無理はない。文部行政を司ったトップのメッセージとしては、あまりにも馬鹿正直過ぎる。実は、私自身開票直後の速報で斎藤氏リード、そして間もなく「当選確実」と報道された時点で、意外感と失望感を抱いたことは事実である。伝えられる斎藤知事に纏わる情報は、あまりにもパワハラが酷く、実際に部下の局長が自死したほどであり、職員の声にも同情出来るものはなかった。ただ、前川氏の単刀直入な言い方は、それなりの常識人としてはやり過ぎの感はある。SNS上の前川氏に対する反論も過激で、県民から「兵庫県民から言うわ。前川喜平のバカは死んでも治らない」としっぺ返しまでされている。憤る県民には、こんな批判もある。「この方が文科相のトップ、初等中等教育局長もやっていたことの方が頭を抱えたくなる」と呆れている。

 前川氏の熾烈な投稿はまだ続く。「叫びたいけど叫ばないでいる言葉→『お前らは笛吹男についていくネズミか、肉屋に尻尾を振る豚だ。鏡でよく自分のあほ面を見ろ(寄稿文はすべてカタカナ表記)』」と毒気の強い表現がある。

 かつて前川氏の講演を聴いたことがあった。小学生の授業に作文がないことが文章力を育てる教育と疎遠となっている。私たちが終戦直後に国語の授業を「読み方」と「綴り方」の2教科を習い、初歩ながら「綴り方」授業で文章を書く訓練を受けたものだ。講演直後に前川氏に今後の小学生の国語教育に「綴り方」を採り入れてはどうかと質問したことがあった。残念ながら取り合う気持ちがないようだった。斎藤知事が再選されたことに納得がいかないのは、私も同感であるが、前川氏は高級官僚として晩年失脚し、有終の美を飾ることは出来なかったが、少々上から目線の態度が見えることが気にはなっていた。尤もこの点は、斎藤知事も同じである。今後前川氏はどういう対応をされるであろうか。

2024年11月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com