昨日朝三笠宮百合子妃が、101歳で天寿を全うされた。皇室関係では天皇家の姻戚の方々のニュースはあまり報道されないが、百合子妃の薨去は大きく伝えられた。明治以降の皇族では最高齢だった反面、お気の毒にも3男2女のうち、寛仁さま、桂宮さま、高円宮さまの3人の子息に先立たれた。訃報によって初めて知った事実であるが、三笠宮と18歳でご結婚され、結婚式の晩餐会が開かれたのは、太平洋戦争開戦日の前日12月7日で、昭和天皇からは止めた方がよいと伝えられた。だが、逆に中止すれば開戦を察知されると考えられ、予定通り開催されたことである。戦時中はお住まいの官邸が空襲で全焼して防空壕で生活されたこともあったという。天皇にとっては大叔母に当たられる方である。一般の葬儀に当たる「斂葬の儀」は、今月26日に皇后を除く皇族専用の墓地、豊島岡墓地で執り行われる。
今改めて百合子妃が、101歳のご高齢でお亡くなりになった事実を知り、これまでにもいくつかの名誉職の立場に置かれたことを思うと、皇族の方々のご多忙とご心労に同情の念を覚える。その点では、上皇が5年前に自ら天皇を譲位されて皇太子に天皇の位を譲られたのは、納得できる。ご高齢になると健康面で周囲が気を遣わなければならない。その上皇も今年末には卒寿をお迎えになる。どうぞご健康に留意されご健勝であることを願って止まない。
さて、皇室のご不幸に続いて本ブログの話題に取り上げるのは、少々不謹慎な感があると承知のうえで、以下についてコメントしてみた。
去る13日のブログ上で批判した作家であり、極右の百田尚樹・日本保守党代表の言動について、今朝の朝日社説に取り上げられ、「百田氏の暴言 公党の党首たりえない」と題して厳しく非難している。特に社説で糾弾しているのは、衆院選前の「女性は18歳から大学に行かさない」、「25歳を超えて独身の場合は、生涯結婚出来ない法律にする」、「30過ぎたら子宮を摘出する」など乱暴な発言の他に、過去にも自民党の会合で「沖縄の2つの新聞社は潰さないといけない」とか、7月東京都知事選の応援演説でも、対立候補を「人間のくず」呼ばわりしたり、その理不尽な発言を批判されている。今回の衆議院選で日本保守党が獲得した比例票合計が約115万票となり、得票率2%以上となったことにより公職選挙法上の国政政党要件を満たした。この結果国政政党として今年度の政党交付金約2千8百万円を支給される見通しである。
しかし、日本保守党候補者に投票した選挙民も、結果的に2%の得票率を上回ったからとて日本保守党に税金の政党交付金を提供することには、必ずしも納得していないのではないかと思う。百田氏の言質が支離滅裂なのは、放言の前段として必ず逃げ道のような条件をつけ、批判が出れば簡単に謝罪するという真剣味のなさである。こんな非常識な発言を繰り返すようでは、国民の税金を政党交付金として提供する必要はないと思う。
最近では、妻子がいながら不倫スキャンダルを冒し、生真面目に低所得層の手取りアップのためと称して「103万円の壁」と戦っている玉木国政政党代表のような人物もいる。政治家からまともな人物を探し出すのは難しい時代となったものである。