6382.2024年10月24日(木) コロナで国の支援策を利用する不正

 新型コロナウィルスも表面上沈静化しているように見えるが、感染者が大きく減少したわけではなく、今も感染者が発生しているようだ。2019年以降感染者が急拡大したせいで、民間企業の売り上げも伸び悩み、経営的に苦しい企業が増えた。個人的にも所得が減少して生活困窮者が増えた。その対策として政府は、彼らに無利子で貸し付ける「コロナ特例貸付金」で支援を行った。同時に、特に営業上大きな打撃を被った観光業には、観光支援策として「GO TOトラベル」を実施した。

 ところが、前者については、生活費が減った世帯を対象に無利子で382万件、総額1兆4千億円強を貸し付けたが、その内131万件は、返済者の収入がコロナ禍以前に戻っていないとして4千7百億円の返済免除を決めたという。そのため貸付金の32%が回収出来なくなった。コロナ特例貸付金制度では、返済免除者や延滞者に戸別訪問をして生活再建のフォローアップ支援を行う予定だったが、支援体制が十分整備されておらず、どうも事前審査の簡素化などが貸し付けに実行されたようで、審査が甘く杜撰な印象を与えた。これによって貸付金のかなりの金額が戻ってこないことになる。これでは、税金の無駄遣いと受け取られかねない。

 一方、観光業界を支援する「GO TOトラベル」も悪用され、給付金の不正申請をしていたことが、2021年12月25日付朝日新聞に「GO TO不正疑い 6万泊に」の見出しで取り上げられた。この記事を読んだ時、不正を冒した大手旅行会社と言われているHIS系グループの子会社などが、顧客6万泊分の不正を冒していたという事実に、ショックを受け呆れ果てた覚えがある。観光業界の窮地を救うために国民の税金を投じてもらった支援策を、悪用して騙し取るという会社の悪だくみには、かつて同じ旅行業界に長年務めた者として恥ずかしく、怒りをすら覚えた。

 その4日後のブログに「GO TOトラベルで旅行会社が不正受給」と取り上げて、厳しくHISグループを非難する記述をしたところである。上記2件は、いずれも国民の税金を結果的であろうと、意図的であろうとも国税を騙し取った結果となった。

 さて、世の中の動きが激しいせいか、国内外ともに変化が社会現象に変化が起きている。

 そのひとつに、経済、特に外為市場の変動が激しい。このところ1㌦=140円を行き来していたドル相場が、急激に円安ドル高が進んだ。昨日アメリカの長期金利4.2%の金利上昇を受けて一時1㌦=153円台と円安ドル高が加速した。どうも2週間後にアメリカ大統領選を前に、再びトランプ前大統領が優位を取り戻したとの情報が金利上昇へつながって円安市場を呼び込んだようだ。

 もうひとつ気になるニュースがある。すでにこれまでウクライナや韓国の情報筋が指摘していた、北朝鮮軍兵士のロシアへの派遣である。昨日アメリカのカービー大統領補佐官が、3千名の北朝鮮兵士がシベリアで訓練を受けており、訓練後にウクライナの前戦に向かうだろうと述べた。外人部隊という言葉があるが、これは国家同士が取り決めた兵士の派遣ではなく、個別に、特に民間の組織が兵士を売買する契約が多い。その点では今回の北朝鮮兵士のロシアへの派遣は、両国の密接な外交関係による両国首脳の話し合いの結果であろう。北朝鮮にとっては自国の領土を守るための兵士の外国への派遣ではなく、侵略国ロシア軍兵士の補充のためにロシア、そして戦闘中のウクライナ戦線へ送られるのである。北朝鮮国民がどこまでその事実を知っているのか、仮に知っていたとすれば金正恩総書記は、国民にこの事実をどう説明するのか、とても真っ当な国家のリーダーが行うべきことではない。

2024年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com