日本山岳会の新しい会長に初めて女性会長が選出されたとは、知らなかった。山男の集まりのような日本山岳会会長に、女性会長が就任するとはやや意外な感がした。71歳の橋本しをりさんと仰る東京女子医科大を卒業された女医さんである。登山家として実績を残した女性が過去にいなかったわけではない。橋本さんは、初めてアルプス3大北壁、マッターホルン、アイガー、グランド・ジョラスの登頂に成功された同じ女医の今井通子さんの医大の後輩である。他に女性登山家としてよく知られているのは、エベレストをはじめ世界で初の7大陸最高峰への登頂に成功した故田部井淳子さんである。
橋本会長は医師の父親の結核療養所が丹沢の麓にあり、幼いころから山とは身近な存在だったという。8千m級ガッシャーブルム2峰(8035m)へ登山隊隊長として登頂した実績もある。そして、国際山岳医の資格も得ている。その山登りの中心的組織である日本山岳会会長に女性が就任するとは、時代の空気もあるが、日本山岳会は体力が必要で、登山経験の多い登山者の組織だけに、これまですべて会長は男性だった。ここにも時代の流れを感じる。ぜひとも新会長には日本山岳会をかつての脚光を浴びた昔を甦らせて欲しいと願っている。
私も会社の山岳部員として丹沢にはよく登った。今ではまったく登山から足が遠のいてしまったが、若いころ南・北日本アルプスを登攀したことや、学生時代の山岳クラブであちこちの著名な山へチャレンジしたことを懐かしく想い出す。海外の山はその壮大さと空気に触れてみたものである。イランのエルブールズ山脈ダマヴァンド峰(5610m)、上記アルプス3大北壁を訪れてその雄大さに感激したことをよく覚えている。
さて、アメリカの大リーグ(MLB)で、アメリカン、ナショナル両リーグともに優勝チームが決まった。昨日ヤンキースが、クリーブランド・ガーディアンスを破り、4勝1敗でア・リーグの優勝を勝ち取っていた。今日は、ナ・リーグの優勝決定シリーズで大谷翔平選手のLAドジャースが、NYメッツを10対5で降し、4勝1敗でワールド・シリーズ(WS)へ進出して、名門ヤンキースとワールド・チャンピオンを争うことに決定した。ドジャースは4年ぶり、25度目の優勝である。1958年にLAに本拠地を移すまで、ドジャースはNYブルックリン区に本拠を置いていたので、ヤンキースとはお互いに隣組のライバル同士だった。強豪だった両チームにとってWSで対決するのは、1981年以来、実に43年ぶりとのことである。熱戦を期待したいところである。
今日の試合でも2本のヒットを打ち、1打点を記録した大谷選手は、試合後のインタビューで尋ねられていたが、ドジャースに移籍したのは、一度でも良いからWSに出場してみたかったので、優勝の可能性のあるチームを選んだと応えていた。ドジャースに移ったことによって早速その念願が叶ったと言える。しかし、ドジャースにとっても大谷選手の存在と活躍が、4年ぶりの優勝をもたらした大きな原因でもある。ともどもウインウインである。
ここまで来たら、26日(日本時間25日)から始まるWSでヤンキースを破り、大谷選手にとってはシーズン2冠の栄誉とともに、チームを世界一に押し上げてくれることを期待したい。それにしても日本のメディアのドジャース優勝の取り上げ方と騒ぎようは尋常ではない。日本では、今日セ・リーグの日本シリーズ進出チームが決定したところである。シーズン3位だったDeNA横浜ベイスターズがシーズン優勝を飾った巨人軍をクライマックス最終戦で破り、4勝3敗で日本シリーズ進出が決定したところである。いわゆる下剋上である。パ・リーグの出場チームは、すでにシーズン優勝の福岡ソフトバンク・ホークスに決まっている。日本シリーズがワールド・シリーズの人気にかき消されないよう、両チームの選手には精一杯頑張って欲しいと願っている。