6360.2024年10月11日(金) 祝! 今年のノーベル平和賞、日本被団協に

 今夕7時前に唐突に日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が今年のノーベル平和賞を受賞したとメディアが伝えた。その後は今日のトップニュースである。石破首相も滞在先のラオスで意義深い受賞であると語った。日本被団協は、広島や長崎で被爆した人たちの全国組織で、原爆投下から11年後の1956年に結成され、以後68年間世界へ向けて核禁止を訴えて来た。

 今日の朝日夕刊一面に、「終わらぬ戦闘、平和賞の行方は」と題して、平和賞の受章者は、中東の人道支援評価か、と書かれている。実際ノーベル平和賞の有力候補として、中東で活動する5団体と国連機関のユニセフ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、世界保健機構(WHO)、その他に2つばかり挙がっているが、日本被団協の名前はない。意外な隠し玉だったのだろうか。

 実は、今年はウクライナにしろ、ガザ地区にしろ、激しい戦闘が繰り返されているが、ロシアのプーチン大統領の如きは、ロシアへ侵攻したら核の使用も辞さないと脅迫して世界中に恐怖を与えている有様である。核兵器の開発や保有などを法的に禁止する核兵器禁止条約は、日本被団協が中心となっておよそ300万人分の署名を集め採択を後押しした。その後はすべての国が条約に参加することを求める「ヒバクシャ国際署名」を続けておよそ1370万人分あまりの署名を国連に提出するほど積極的に活動した。

 しかし、2021年に発効した「核兵器禁止条約」が、核兵器の開発や保有、使用などを禁止する国際条約で、これまでに73の国と地域が批准しているが、アメリカやロシア、中国などの核保有国や、アメリカの核の傘のもとにある日本などは条約に参加しておらず、核保有国と非保有国の溝は埋まっていない。ノーベル平和賞受賞は、祝うべきことではあるが、これを機会に更に核禁止の動きに拍車がかかるか、核被爆国の日本が未だに「核兵器禁止条約」を批准すらしていないことが問題である。これから政府が反核へ前向きな対応が出来るかどうかが、問われることになろう。

 ともかくおめでたいことである。50年前に佐藤栄作首相がノーベル平和賞を受賞した時は、どうして授賞出来たのだろうと疑問ばかりだったが、今日の日本被団協への受賞は誇らしいことである。

 さて、このところ地球沸騰化現象の影響であろうか、今夏の日本各地の沸騰化には皆些か参っている状態だった。中秋の季節に入っても真夏日になったり、気温のアップダウンが激しい。昨日ニュースで伝えられた情報によると、今年の真夏日(25℃以上)は過去最多の143日もあったという。加えて2番目に多かったのが昨年の142日、3番目が一昨年の140日だった。この数年急激に真夏日が増えて正に温暖化どころではなく、国連事務総長が警告したように沸騰化の時代になってしまった。

 沸騰化現象は、気温ばかりでなく、過去の地球の気候秩序も乱している。アメリカ南東部に毎年秋になると襲来する台風ハリケーンの様子が、今年は少々異常な現象を示している。今メキシコ湾に発生した熱帯防風「ミルトン」は、フロリダ州を襲い、100年に1度とも言われるほどの大規模な暴風で、すでにかなりの死者を出している。先月下旬に襲った「へリーン」が死者200人を出したが、これを超え、1,400人の犠牲者を生んだ2005年の「カトリーナ」以来の打撃を与える恐れがある。

 地球の気候変動が激しく、温暖化の主要原因である温室効果ガス減量を目指したパリ協定も、主たる排出国であるアメリカの当時のトランプ大統領が、アメリカ・ファーストの利己的な思惑によりパリ協定から脱退することによって、折角の決め事をぶち壊して、益々温室ガスを増やし、地球を熱くしている。元々ルールを守らない1位中国と2位アメリカだけで、温室ガス排出量の4割を占めている。世界は2つの大国に弱い。つまるところ、政治的な力関係によって気候さえ変わるのだということを我々は認識させられている。

 

2024年10月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com