今朝不意にVISAカードを発行している「三井住友カード」会社から電話があった。このところ同社の対応の不誠実さに対して、何度となく手紙で同社社長宛に抗議と謝罪を求める手紙を送っていた。その返事がまったく来ない時に突然電話があったのである。少しは真っ当に応えようという気持ちなのかもしれない。ところが、生憎電話が私の難聴もあり、相手の声がよく聞き取れず、手紙に書いて欲しいと話したら、手紙を郵送するとのことだった。少しは解決へ向けて前進するのかと期待しているが、聞き取り難い会話の中で、自社の対応は間違っていないということを言っていたので、早く手紙を読んでみたい。この件については、9月11日と一昨日の本ブログにカード会社の対応を非難したばかりである。手紙を読んでから改めて本ブログにコメントを書いてみたい。
さて、先月18日に中国・広東州深圳市内で通学途上の日本人の小学生が中国人男性に突然殺害された。去る6月にも蘇州で日本人学校のバスが中国人に襲われ、児童を守ろうと庇った中国人女性が犠牲になるという痛ましい事件が起きたばかりである。
この日本人の幼児殺害について、日本大使館が中国政府に犯人の動機と詳細、そして今後の防止策を問いただしたところ、中国政府は個別の事案だとして詳しい動機などについては知らせてくれない。この冷酷さも中国特有の愛国教育のせいだろう。9月18日は、中国にとっては屈辱的な満州事変のきっかけとなった柳条湖事件が起きた日で、中国ではこの日を「国恥の日」と定めており、とかく反日行動が起こりやすい。幼児殺害事件が、この日に起きたというのは、勘ぐれば中国人が反日感情を爆発させた日だと考えられないこともない。
悲しいことだが、今日中関係は必ずしも順調とは言えない。ビジネスや、文化面での交流は良しとしても、やはり戦前の日本軍による中国大陸への侵攻、占領が当時の中国人の気持ちに大きな痛みを与えたことは大きいと思う。しかし、いつまでも日本を恨み、過激な行動に出たところで、事態は解決するものではないし、将来に明るい展望もない。悲しいことは、日本及び日本人への恨みや、反日感情が、以前に比べても強くなっている印象を受けることである。
1970年代に初めて中国を訪れた時、中国経済はかなり遅れていて、ほとんどの国民は人民服を纏い、市街では自転車や、壁新聞が目についた。高級車なぞは見当たらず、観光してもバスはマイクロバスだった。だが、人々は皆親切で優しかった。今の中国人のケンカ腰の話し方とは、随分違った。それが、経済発展に伴い、国、国民が豊かになるにつれ、中国人は自信と誇りを持ち、聊か傲慢になったように感じている。そこには、中国独特の現代「愛国教育」が影響しているものと考えている。
実は、昨年10月、中国政府は全人代(全国人民代表大会)で、「愛国主義教育法」を可決、成立したのに伴い、今年1月施行した。その第1条には、「社会主義現代化国家の全面的な建設と、中華民族の偉大なる復興の全面的な前進のための大いなる力を結集する」と堂々と謳っている。これは、愛国主義教育・思想統制の法制化だと言われている。学校の教育現場でも導入された。自由な発言や行動に枠を嵌めるような自由化を抑え込むようなものである。習近平と中国共産党の共同作品と言えよう。ただ、このような教育を受けた子どもたちが将来、自由に物を言えず、他人の発言にブレーキをかけるようなことになっては、広い意味で中国人は世界から敬遠されていくのではないだろうか。中国、中国人との付き合いには、注意を怠らないよう警告しているような「愛国主義教育法」ではないだろうか。