斎藤元彦・兵庫県知事が去る19日に県議会で不信任案を可決され、知事職を辞めざるを得なくなったが、そのまま辞職するか、或いは議会を解散させるか、その判断が10日以内に明らかにすることになっている。斎藤知事の失職により、支持政党だった日本維新の会は知事に辞職勧告を行うほど大分苦悩していた。維新への逆風は地元大阪のみならず、地方都市にも及び、党としては立て直しに懸命に取り組んでいるところである。そして、昨日大阪府議摂津市補欠選で、大阪維新の党公認候補がまた敗れた。昨年4月の府議選では維新の会は全体の8割以上の得票だったが、今では追い風効果はまったくなかった。最近になってまともな政治活動をしないと選挙民からは支持を得られないということを維新の会は、知らされることになった。
こうなると一般国民が投票するわけではないが、今選挙戦の最中にある自民党総裁選や、立憲民主党代表選にもその真剣さが少し反映されるものと期待される。
その中で今日臨時党大会を開き立憲民主党代表選が行われた。国会議員らの投票に先立ち、地方議員と党員・サポーターによる郵便投票の開票作業が行われた。この結果は、1位野田、2位枝野、3位泉、4位山田となったが、過半数を得た候補者がおらず、国家議員と国政選挙の党公認候補予定者の間で決選投票が行われ、野田佳彦氏が枝野前代表を上回り、新しい党の代表に選出された。
投票前の演説では、野田氏は「教育無償化のみならず、医療・介護・障害者福祉などのベーシックサービスを所得制限なく、すべて国が供給していく体制を作り、『弱い人を助けるための政治』はもう終わりにし『弱い人が生まれない社会』を作る。そして何よりもより大事なのは、国民の政治に対する信頼だ。金権政治を終わらせ、世襲政治を制限する。政権交代こそが最大の政治改革であり、その先頭に立つことを誓う」と述べた。そして、そのためのステップである党代表の座に就くことになった。これまで言葉だけが先行して約束ごとがしっかり実現出来たという事象はあまり記憶にない。
かつて野党民主党が政権を取り鳩山由紀夫、菅直人両首相に続き、3人目の首相となった野田氏だったが、選挙で国民に誓ったマニフェストはほとんで有名無実化した。中でも子ども手当は支給出来ず、やらないと言った消費税引き上げを、社会保障と税の一体改革と言って、自民党、公明党との合意の下で関連法を成立させた。八ッ場ダムも中止と言っていながら予算に計上している有様である。野田政権は迷走と混乱の中で無駄な1年を過ごした。民主党時代の経験が良薬となっただろうか。事前に政権を取ると宣言した。
NHK「ニュースウォッチ9」に出席した野田新代表は、自民党総裁選後に衆議院が解散されたら与党を289(自民257、公明32)議席から過半数(233議席)割れに追い込むと勇ましく語っていたが、最初から厳しいお手並み拝見となりそうである。
27日に行われる自民党総裁選の結果が待たれる。