昨晩は中秋の名月で夜空に見事なお月さんが見られたが、今日は午後から空は曇り、夕刻に雨が降り雷も鳴った。それでも東京都内の最高気温は35.1℃となり、東京都としては1942年以降82年ぶりの最も遅い猛暑日となった。沖縄近海でもまた台風14号が襲来しそうだ。それにしても天候の変化が大きいので、戸惑わされる。
さて、昨日はメディア各社のテレビ映画「SHOGUN (将軍)」エミー賞授賞の熱中報道には恐れ入った。アメリカ・テレビ界の最優秀作品を選ぶエミー賞授賞式で、作品賞に同作品が、またプロデュース・主役を演じた真田弘之が主演男優賞を、名前を知らなかったニュージーランド居住の日本人女優アンナ・サワイさんが主演女優賞を受賞した。これら主要部門で日本人俳優が受賞するのは初めてである。この他にも日本人が携わった作品の受賞は18部門もあり、エミー賞史上最多となった。
「SHOGUN」は、主役の徳川家康や、三浦按針をモデルにした江戸初期の戦国ドラマであるが、セリフのほとんどが日本語で話され、その際には英語のテロップが画面に出て、自然体で戦国時代の雰囲気が出て、アメリカ人もそのまま受け入れていたという。真田によれば、「東洋と西洋が出会った夢のプロジェクト」だという。これはテレビ界よりも一足先に世界的に認められた「羅生門」や「地獄門」など傑作映画の功績が大きいと思う。近年アメリカ人の日本人観も随分変わってきているので、これからもなお一層期待が高まることだろう。
ついては、今アメリカMLBで大活躍中のドジャースの大谷翔平選手が、パワーとスピードを兼ね備えた選手像に挑戦している「50(本塁打)-50(盗塁)」の記録をいつ達成するかに大きな関心と期待が集まっている。そして、日本時間の今朝、その大谷選手が期待に応えてフロリダで行われた対マーリンズ戦で48号2ランを放った。これで「48-48」となった。今年の残り試合は11試合であるが、「50-50」の可能性はどうだろうか。打点も110となり、本塁打、打点ともリーグでトップである。
今日の試合は、日本文化を紹介する日の行事の一環として「JAPANESE HERITAGE NIGHT」と銘打たれ、グランドにも大きな幕が掲げられた。そして試合開始に先立ってシンガーソングライターでその名も知らなかったナオト・インティライミ(インカの言葉で「太陽の祭り」の意)が「君が代」を独唱した。アメリカの試合に日本の「君が代」が独唱されるとは珍しいことだ。また試合中の攻守交代時には、左翼席付近で和太鼓も打ち鳴らされ、試合を盛り上げていたという。「50-50」へあと2つと迫った大谷選手にとっても印象に残る試合であり、本塁打だったことだろう。
この他にも今年5月17日を、大谷選手が活躍するロサンゼルス市が、「大谷翔平の日」に制定したという話も話題になった。
日本人野球選手やら、映画俳優の活躍などが、アメリカ人に日本人や日本文化を見直す良いきっかけになってくれていると思う。更に、今朝の「天声人語」によれば、アメリカばかりでなく、他の国々でも日本への関心はかなり高まっている。例えば、今春発行されたオックスフォード英語辞典には、新たに日本に由来する言葉が23も加わった。「すし」と「天ぷら」だけだった食品用語に、「どんぶり」や「お好み焼き」まで加わったという。お互いに相手のことを知り合うとは、大いに結構なことだと思う。