6335.2024年9月16日(月) 「敬老の日」、日本人の高齢化率は世界最高

 今日は「敬老の日」である。思い起こせば、今から57年前の「敬老の日」(当時は9月15日が「敬老の日」)に品川プリンスホテルで妻とお見合いをして翌年5月にホテル・ニューオータニで結婚式を挙げ、今年は結婚56年目のエメラルド婚を迎えることが出来た。幸いにも夫婦揃って大きなケガや病気に掛かることもなく、息子2人と5人の孫に恵まれ、まずまずの生活を送っている。「敬老の日」が幸せを恵んでくれたのだろうか。願わくば、このまま健康で周囲に迷惑をかけることがない生活を送れたらと思う。

 昨今は少子高齢化が言われ、日本の総人口が減少する一方で、65歳以上の高齢者は総人口1億2千5百万人の内、過去最多の3,625万人となった。戦後生まれの「団塊の世代」も皆75歳以上の後期高齢者になった。実際日本の高齢者割合は世界200か国・地域でも、イタリア(高齢化率24.6%)、ポルトガル(同24.5%)を抜いてダントツ・トップで65歳以上の高齢者は、総人口の29.3%を占めるに至った。3人強にひとりが高齢者ということになる。外見上は実年齢以上に日本人は欧米人に比べて若く見られる。実際私自身海外へ出かけてこれまで何度か若く見られたことがある。初めてアメリカで学校訪問をした38歳時には、現地の教員から大学生に思われたことがあった。トランプ前大統領やバイデン大統領でさえ私より若い。

 しかし、健康に障害を抱え勝ちの高齢者が増えるにつれ、国の歳出の内高齢者、いわゆるお年寄りに投資する費用や、幼児・子どもたちに要する費用も年々増えている。実際今年度の一般会計予算歳出額112兆5千億円の内、社会保障費は33.5%の37兆7千億円を占めている。そのかなりの部分が高齢者支援に与えられている。

 ただ、国家予算では、若い人を「支える人」、高齢者は「支えられる人」という表現が使われがちだが、その表現には、高齢者の立場から我々高齢者は、若者たちの支援により生活を支えられているようなイメージがあるが、人手不足が顕在化している現状で、高齢者が働かずして社会は維持できなくなっている。確かに「支えられる人」の相当部分は間違っていないと思うが、中には働かずに落ちこぼれとなって社会的保護を受けている若者も相当数いる。ともに支え合って生きているのが、人間社会の有り様だと思う。

 そのような折こども家庭庁は「子ども未来戦略」と称して子ども・子育てにかなりの投資を増やした少子化対策を立てている。その投資額も年々増額し、今年度は5兆3千億円で対前年9.7%も増えている。その一方で、高齢者に対する医療給付費、介護給付費等は微増である。逆に高齢者の介護保険料を3.5%値上げすることを決定した。今も政府は高齢者の医療費3割負担の対象拡大を検討している状態で、高齢者にとっては安心して生活出来る条件が少しずつ悪くなっている。少子化対策としてこども家庭庁という中央庁を設立して少子化対策に取り組む姿勢を示し、それなりの予算も付けている。その一方で年々増える高齢者に対しては幾分冷ややかな印象がある。防衛予算は政府内の打ち合わせひとつで、国民の了解を得ずに増額を決定するが、国民の福祉に関する予算については冷淡である。自民党総裁選でも各候補者は、少子化対策には触れるが、高齢者対策についてはまったく話をしない。心寂しい限りである。

2024年9月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com