6334.2024年9月15日(日) 観光業回復によるオーバーツーリズム

 昨夕長男が3か月ぶりにやって来て夕食を妻と3人で食べることになった。久しぶりの酒盛りで息子と酒を酌み交わしたが、最近アルコールを飲むことがほとんどなくなり、1年に数回しか飲まなくなった。かつては毎晩のように晩酌をしていたものだが、今ではそれもしない。友人らも年齢とともに飲酒の機会が減ったと言っている。息子は4月から京都から東京へ転勤となり、家族を奈良に残したまま、単身赴任で東横線沿線の武蔵小杉のアパートに暮らしている。月に1度くらい食事を一緒にしようと話しているが、中々多忙のようで近くにいながらそう頻繁にやってくることもない。昨日は思い切って互いに酒を飲み交わした。これからも息子が訪ねて来る時にアルコールを味わいたいと思っている。

 さて、コロナが大分消えて旅行需要が回復してきたようだ。特に外国人旅行者のインバウンド・マーケットはホクホクのようだ。コロナ前まで順調に伸びていたインバウンドは、2019年には過去最多の3,188万人の外国人観光客が日本を訪れた。それがコロナ化によりその後3年間は訪日客はほぼゼロに近くなった。それが、昨2023年には、コロナ解消に円安効果もあり訪日客が一気に2,507万人にまで回復した。現在は、日本人の海外旅行者を遥かに上回っている。大きな外貨収入にもなり、政府としてもインバウンド客に対していろいろメリットを与えて彼らの訪日を歓迎している。

 その一方で、外国人が増えたことにより各地でトラブルも起きている。その中で最大のトラブルは、観光地に大勢の観光客が押し寄せ彼らが溢れる「オーバーツーリズム」現象である。時には、そのため都市機能がマヒしかねないこともある。観光都市・京都ではあまりにも多くの外国人観光客が市内バスまで手軽に利用するようになって、反って京都市民が乗車出来ないケースもあり、何らかの規則・制約を設けるべきではないかと京都市でも検討を始めた。

 オーバーツーリズム現象は何も日本国内だけに限った問題ではなく、世界的にも観光客が集中する海外の都市でも深刻な問題を提起している。イタリアのヴェネチアでは、人口5万人弱の小さな島へ昨年は約2千万人の観光客が押し寄せ、市は今年4月からヴェネチア訪問客に対してひとり5ユーロ(約830円)の入市料の徴収を始めた。また、世界遺産として世界的に知られるペルーのマチュピチュや、インドのタージ・マハルでも現地の人の数倍の入域料金を外国人から徴収し始めた。そればかりではなく、日本でも姫路城では、現在の入城料千円をそのままにして、外国人観光客らに現在の7㌦を30㌦に値上げすることを検討中だという。確かに観光地を維持するためには、それなりの経費がかかる。中でも最近になって注目されるようになったのは、各地でゴミの処理費用が膨大になり、それを観光客に負担してもらおうとの意向である。

 よく言われる言葉に「仏作って魂入れず」がある。ハード面の整備も大切であるが、ソフト面でサービスすることが大切である。外国人が街で困らず、親切な対応をしてくれることが外国人観光客の増加につながり、最終的にインバウンド市場の収入アップに結び付くことになる。そのためには街の目立つ場所に英語の案内板を設置したり、無料のガイドブックを配布して役立ててあげたり、外国人専用の案内所なども出来るだけ数多く設置して、困っている外国人に手を差し伸べてやることが大切なことだと思う。

 今後外国人観光客がどれほど増えるか分からないが、日本には四季折々の文化、また自然の宝物が沢山あり、これらを充分活かすことによって、さらに多くの外国人観光客を呼び込み、国の大きな財源とすることが出来ると期待している。

2024年9月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com