今日は「昭和」で言うと昭和99年9月9日になり、中国では重陽の節句である。近くにお住まいのベトナム反戦運動の中心グループ「ベ平連」(ベトナムに平和を! 市民連合)を主導されておられた小中陽太郎氏が、一昨年12月にご自宅内で倒れた際頭部を強打して、爾来意識不明のままご自宅で毎日看護師さんや保健師さんが、介護の面倒を見に来られる。それでも毎日お世話しておられる奥様や娘さんのご苦労は想像を絶するばかりである。今日も奥様にお見舞いの電話をしてお話を伺ったが、依然昏睡状態ということだった。
実は、今日は重陽の節句に誕生され、お名前もそれに因んで陽太郎と名付けられた、小中氏の卒寿に当たる90歳の誕生日でもある。お元気なら直接お祝いを申し上げたいところだが、残念だが、それは難しい。以前のような健康状態に戻るのは、ほとんど不可能ということであるが、今まで大変お世話になってご指導いただいたことでもあり、何とかもう1度お話をしてみたい。ご回復されるよう心よりお祈りするばかりである。
さて、米軍基地に囲まれた沖縄の自治が徐々に保守化の方向へ向かっている。昨日行われた米軍普天間基地を抱える宜野湾市の市長選で、2018年知事選出馬のため市長を辞職した佐喜眞淳・元市長が市長へ返り咲くことになった。6年前の知事選では「オール沖縄」の玉城デニー知事に挑んで敗れたが、基地反対のメッカである宜野湾市民は、普天間基地飛行場の名護市辺野古移設を容認する佐喜眞氏を選んだ。同市長は「普天間飛行場の返還期日の明確化と、その間の負担軽減、危険性除去について政府と話し合いたい」と述べているが、どこまで政府は相談に応じるだろうか。
今年6月に行われた沖縄県議選では玉城知事の「オール沖縄」が完敗し、保守勢力が過半数を奪還して、沖縄県民の支持がこれまでの革新、反基地の動きから保守、現状基地容認へ変わりつつある。果たしてこの変化と動きに目をつぶっていて大丈夫なのかと些か気がかりである。沖縄の基地問題について、基地の存在だけではなく、現実に日常発生する複雑な問題などもあり、日本人は同じ同胞ということからももっと沖縄に関心を持つべきではないかと思う。
終戦後、1952年日米講和条約が締結される以前から日本国内に駐留していた米軍が、そのまま日本の国土の7%弱を駐留占拠している。日本の総面積の約2/3が森林であることを考えると、日本の平地面積の内米軍基地は、使用できる日本国土の内20%弱が米軍の使用に供されている。そこへ5万3千人の米兵らが駐在し在日米軍駐留経費として、年間2,200億円ほどを日本が負担している。これも表向きの金額であって、実際にはその5倍近い経費を支出していると言われている。
近年アメリカという国に強い不信感を抱くようになった原因のひとつは、最近のアメリカは、トランプ前大統領以下国民の道徳心が低下していることである。特に軍隊における、それも外国の駐留地におけるアメリカ軍人の行動において由々しきトラブルを度々引き起こし、反省しているのかどうか、一向にトラブルは減らない。日本における米軍基地における不祥事の頻発である。
先日の朝日新聞社会面にも大きく報道されていたが、米兵士による女性に対する性犯罪の頻発である。不明朗、或いはうやむやな結論を出すその背景には日米地位協定という世にも不思議な日米不平等条約がある。
駐留米軍兵士らが、日本国内で犯した犯罪、不祥事は過去において数限りなくある。彼らの2022年度までの過去35年間の刑法犯罪は4千7百余件もあり、年間平均件数は130件で3日に1度は日本国内で米軍兵士が不祥事を冒していることになる。その半数は、沖縄県内で起きたものである。沖縄弁護士会元会長の新垣勉氏によれば、基地の米軍兵士は志願制で集まった若者が多く、社会人としての十分な教育を受けないまま、人を殺す教育を徹底して教え込まれ、日本でストレスを抱えたまま精神的な不安定さを表し、事件を起こすケースが多いらしい。こんな馬鹿げた国家同士の協定なんてあってはならない。現在日本に駐留する米軍兵士は最も多く、5万3千人もおり、これは2番目に多いドイツ駐在の3万5千人に比べて遥かに多い。
そのうえ懸念されるのは、沖縄県民の保守的傾向が進んでいることである。そして米軍兵士らの不祥事は日米地位協定や、米軍、日本政府の意図的な扱いによってあまり公になることはない。彼らには何をやっても逮捕されないとの間違った特権意識もある。これが駐留米軍兵士らがやりたい放題に同盟国日本で行う悪徳と、日本政府のアメリカ言いなり政治の現状なのである。その根源にある日米地位協定をこのままいつまで放置するのか、或いは真に日米平等の地位協定へせめて改定することぐらい出来ないのか、ここら辺りも自民党総裁選で議論を戦わしてほしいところである。