台風10号が日本各地で暴れまくって大きな被害を被ったが、また南方洋上に新たに熱帯性低気圧が発生し、それが台風に発展し日本へ襲来する可能性がある。どうやら今年は台風の当たり年のようだ。
気象ばかりでなく、政治の世界でも今秋は話題になることが多い。今月行われる自民党総裁選と立憲民主党代表選が取り沙汰されているが、来月には公明党が16年ぶりに山口那津男代表が退き、石井啓一幹事長が代表になると明らかにされた。これで与野党3党のトップが揃って交代することになる。昨日立憲民主党代表選へ泉健太代表が立候補を表明した。これで同党選の出馬は山田晴美・衆議院議員を合わせて4人となった。
自民党総裁選では、小泉進次郎・元環境相が出馬を表明し、立候補者は6人となった。本命がいない。小泉氏は、大方の予想では石破茂元幹事長と並び、一番総裁に選出される可能性が高いと見られている。
その小泉氏が昨日出馬表明と同時に、総裁としての改革プランを披歴した。他の候補者がこれまでに表明した政策の中では、最も自らの信念と改革、及び現状行うべきことを分かり易く説明したものと思う。43歳と若く、前向き思考の小泉氏は国民の信を問うと言い、これまで旧来の自民党幹部連が発言を控えていた点も率直に批判し、自らの政策の論点を語った。
古手の議員らから陰で非難されそうな、政策活動費の廃止や国会議員に毎月百万円支給されていた調査研究広報滞在費(旧文通費)の残金返納義務などを公約として掲げた。そのうえで、総理総裁になったら直ちに衆議院を解散し、自らの改革プランの信を問うと述べた。話す態度も堂々として、それなりに総裁選に選出されたら、信念と自信を持って政策実行を期待出来るような印象を受けた。とかく厳しい評価を下す政治評論家の中でも、田崎史郎氏がかなり高得点を与えていたくらいである。
それでも昨日の記者会見の席上であるフリージャーナリストが、次のような至極無礼な質問をした。「首相になってG7に出席されたら、知的レベルの低さで恥をかくのではないかと皆さん心配しています。それこそ日本の国力の低下になりませんか? それでも総理を目指しますか?」
この侮辱的な質問に対して、恰も知的レベルが低いと見られた小泉氏は冷静に応えていた。「自分に足りないところはあることは知っている。その足りないところを補ってくれるチームを作る」と応えていた。フリージャーナリストが非礼な質問をした真意は不明だが、場面慣れしていて応対に不自然さはなかった小泉氏は、敢えて言えば、知的能力がやや弱いと見られ質問された際、しばしば机上のプロンプターに目を移し気味だった点などからも痛いところを突かれたかも知れない。最初に立候補した小林鷹之・元経済安保担当相が、まったくプロンプターを見ることがなかった点に比べて、インテリジェンスの面でやや遅れていると指摘するコメントもあった。
他にも、父小泉純一郎元首相から引き継いだ世襲政治家であることについても厳しい質問があったが、それは予測していたのか、そつなく応えていた。
自民党、立憲民主党の代表者選が、いつになく盛り上がっており、政策論争も聞き応えがある。憚られることだが、今後の経緯と結果を知ることが楽しみでもある。