今パリでパラリンピックが開催されているが、日本は個人、団体ともに活躍している。昨日から今日にかけてスポーツ番組のみならず、意外にもニュースの一環として報じられているのが「車いすラグビー」の金メダル獲得である。今朝の朝日新聞には一面に写真入りで報じられている。
私自身高校時代はラグビー部で3年間プレーしたが、当時は弱いチームだった。その後母校は徐々に力を付け、今ではレベルの高い神奈川県内でベスト8の常連になり、公立校では最強チームの一校になったと思う。高校では主将を務め、長年OB会長も務めた。その影響だろうか、2人の息子たちも幼いころからラグビーに熱中した。今では孫の一人が中学生ながら、昨年クラブ日本一になった強豪の横浜ラグビースクールでプレイしている。そんなラグビー一家でありながら、この金メダルを獲得した車いすラグビーについては、ほとんど無関心だった。ラグビーとは別のスポーツのように思っていた。テレビ観戦しても随分ルールが異なると感じたが、その激しいプレーぶりは、身障者のスポーツとしては他には見られないもので、ラグビーとの精神的つながりを感じた。
初めて気が付いたことは、昨日アメリカとの決勝戦でアメリカ・チームに女子選手が出場したので、アレっと首を傾げた。そこで一般社団法人日本車いすラグビー連盟(JWRF)のHPを開いてみた。特殊なルールがいろいろあり、1チーム12人でコートに出場するのは4人というチーム構成も初めて知ったが、一番驚いたのは、この激しいスポーツは、女性選手も所属し男女混成チームであることだった。障害スポーツであるので、1チーム4人の選手にそれぞれ障害の程度によって0.5から3.5までそれぞれ点数があり、試合中選手交代しても1チームの合計点が8点までと決められている。想像外だったのは、女性選手が出場すると0.5が加点され、チーム全体として8.5点まで認められることである。その他に試合のルールについてもいくつか取り決められている。15人制ラグビーと根本的に違うのは、パスを前へ送ってもスローフォワードの反則ではなく、認められていることと、ゴールライン内へタッチダウンしなくともラインを越えれば、トライとなることである。だが、5点ではなく1点であることがラグビーとは違う。
優勝という栄冠を得て、トーナメント大会は終わってしまったが、これからはもう少し関心を持って車いすラグビーを観てみたいと思っている。車いすラグビー優勝の影響で、15人制ラグビーの日本代表チームにもプレッシャーがかかり、現在の世界14位から2019年大会でベスト8入りした当時の力を常に発揮出来るよう努力が望まれる。
さて、話題はウクライナ絡みになるが、ウクライナでの戦争犯罪でロシアのプーチン大統領には国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ており、ICC加盟国は当然自国へプーチン氏が訪れたら身柄を拘束する義務がある。そのプーチン氏が、昨日モンゴルを訪問したが、石油製品と電力をロシアに大きく頼ってロシアに恩義を感じているモンゴルは、ICCのルールに反してプーチン氏を逮捕することはなく、プーチン氏は今朝未明にロシアに帰国した。ICCのカウコランタ議長は、加盟国が義務を果たすことなく、プーチン大統領を迎えて無事に送り返したことは許されないと強い口調で語った。ロシアとしては、モンゴル訪問をきっかけに他の国々をも訪れ、権威をまき散らしたいのだろう。ただ、この義務不履行によって国際的に大きな組織にヒビが入りかねないことは事実である。モンゴルとしては、本音ではプーチン大統領の訪問を断りたかったのではないだろうか。力あるものには勝てない。
残念なことだが、自国の力を見せつけるために、国際的組織や、協定を蔑ろにする行為は当たり前だということをプーチンはやってのけたのである。これでは外交も何もあったものではない。困った世界の我が儘リーダーである。