今から101年前の今日あの関東大震災が発生した。今では「防災の日」と定められている。地震もこのところしばしば起きているが、このところ地震より台風情報にハラハラさせられている。
まったく今襲っている台風10号の気ままな動きには、気持ちが落ち着かない。南方洋上から沖縄、奄美諸島を経て九州へ上陸してからの遅い動き、それに合わせた太平洋岸の高気圧による激しい豪雨に国民は振り回されている。交通機関、とりわけ新幹線の不意の運行休止が乗客を戸惑わせ、皆動きが取れない。交通機関ばかりでなく、停電も長く続き、宅急便も一部集配と宅配を停止し、郵便も地域によっては受付と配達をしばし停止する有様である。更にトラックによる貨物輸送も止まり、食料品などの入荷が出来ずにスーパーの食品棚には商品がなくなる状態である。
そして、台風は紀伊半島の沖合で停滞していたが、今日午後漸く熱帯性低気圧に変わった。そのため台風は警戒していた関東方面には襲って来ないが、太平洋沿岸には高気圧が張り出し、その影響から南関東では昨日から激しい雨が降っている。特に、神奈川県小田原市や二宮町には、1976年に統計を取って以来最大の降雨量をもたらし、昨日1日だけで2か月分の総雨量を上回る降雨があった。今日も朝から雨が降ったり陽が照ったり、時に激しく雷鳴が鳴り響く慌ただしい気象だった。
さて、政府の1年の大仕事である年度予算策定の第一ステップである2025年度予算編成を前に、一昨日各省庁の概算予算要求が出揃った。総額では過去最大の117兆円である。実際には、明かされない「事項要求」なるものが各省庁にあるので、更に上積みされる。
一般会計の歳出額は、毎年一番多い社会保障費34.2兆円が全体の31%を占めている。これは年々少子高齢化の影響が強くなり、高齢者への医療費負担が大きくなるので今後も増え続けるであろう。
しかし、大きな問題が2点ある。ひとつは、国債の元利返済に充てる国債費として28.9兆円もあり全体の26.2%を占めている。利息の返済に日銀の追加利上げで利払い費用が増えることも考慮されている。しかし、毎年国家の借金が増え続け、今や1,297兆円もの累積債務を抱えている。以前から毎年のように財政健全化が叫ばれながら、一向に問題は解決しない。借金は増えるばかりである。国家の借金が増えることについて、国会議員の関心が薄くなったとしたら、今後も国債費は増え続けるだろう。これは政治家が本気で解決する気持ちがなく、口先だけの斉唱「財政健全化」のせいである。
もう一点気になるのは、防衛費の異常な増額である。これは昨年岸田首相が2027年度までの5年間に防衛費を43兆円程度に増額すると発言し、防衛省が25年度概算要求に過去最大の8.5兆円を要求したためである。今や日本人なら誰でも知っている憲法第9条に書かれている「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」との言葉にまったく逆らって死語扱いし、政府が堂々と憲法違反を冒している。国が先頭に立って国民を裏切っているわけである。増額された予算は、防衛機材の整備に充てられ、戦争の惨禍に懲りた国民が戦争と縁を切る平和憲法を台無しにして、戦争準備に投資される。
この問題については本ブログに何度も書いているが、戦争を身体で知らず戦争ゴッコを楽しもうとする戦争好きな国会議員と、アメリカの言いなりになって米軍に奉仕しようとするアメリカ盲目愛者のせいである。わが余生において2度目の大戦が起きるとは絶対信じたくないが、このまま行けば、戦争は間違いなく起きることは確実である。