6228.2024年8月31日(土) 天下り官僚・斎藤兵庫県知事の悪評と愚行

 昨日パワハラで注目を集めている兵庫県斎藤元彦知事に対する百条委員会が開かれ、証人尋問に知事が出頭し抗弁した。

 そもそもパワハラを告発した元局長が、公務員失格の烙印を押され停職処分を受けて自殺したことが大きな話題となったのがことの発端である。知事は告発者である元局長が特定されないよう、パワハラ防止法が定められていることについて理解していないようだった。知事のパワハラが事実か、否かをはっきりさせ、パワハラが事実と分かれば、その責任を追及し責任を取らせるべく、百条委員会は多くの県庁職員らの声を聞いて、対策を立てようという段取りだった。ところが、尋問では斎藤知事は批判されている行為は、県政を円滑に進めるために行ったことで自らの行為は正しく適切だったの一点張りである。一方、県職員に対するアンケート調査では、約4割が知事のパワハラを見聞したと回答している。

 結論的に証人尋問では、知事は元局長の処分が不適切だったとは思っていないと自己主張を曲げなかったが、パワハラ防止法を理解していないということは明確になった。来月6日に改めて百条委員会を開催するようだが、強気の知事は自己主張を押し通すことだろう。この百条委員会は、昨日TBS・TVで生中継されたが、ネット上には「自己保身ばかり」、「被害者を馬鹿にしたような対応」、「言い訳オンパレード」、「告発と誹謗中傷って違うんじゃ」、「勇気を振り絞って告発したのに処分とは?」と様々な厳しいコメントが記載されている。

 そして、知事は別の席で、自分が国家公務員として20年間行ってきた通りに県でも行ったと、胸を張ってエリート意識をぶちまけた。そのうえで、今は県政が前へ進むよう努めるとして知事辞職の気持ちは毛頭ないと語った。厚労省官僚OBの中野雅至・神戸学院大学教授は、「本人はずっと叱責で通すと思います。本人の意識の中でも、この程度(公用車を玄関の手前で止められ20m歩かされたこと)は霞が関なら常識的な範疇の仕事の怒り方だと思っている」と指摘している。

 この傲慢なやり取りを見て思ったのは、エリート意識ふんぷんで、人間性の欠如、利己主義が露骨に感じられたことが、パワハラに繋がった原因だと思えた。特に事あるごとに「俺は知事だ」と言っていたそうだが、鼻持ちならない「俺様」には、直属の部下や、職員はいつも居心地の悪さを感じていたことだろう。

 流石に人間的な欠陥が現れて来るにつれ、兵庫県民からも辞任を求める声が広がっている。3年前の知事選で自民党とともに支援した日本維新の会でも、あまりの知事の悪評に音を上げ、百条委員会の様子を見守るとしていたが、これ以上知事を庇ってもいられないだろう。

 一方、立憲民主党など県議会の会派は、「斎藤知事のもとで県政を前へ進めるのは困難だ」として、9月に開催される県議会で不信任決議案を提出する方針を決めた。

 しかし、どうして県民のために奉仕しなければならない知事に、このような世間知らずの46歳の若造が就任することが出来たのだろうか。地元の名門愛光学園中高から1年浪人の後東大経済学部に入学し、大学では1年留年の末総務省へ入省した。顧客と接する営業活動の経験もなく、相手の気持ちを斟酌するようなこともなかった。この20年間の総務省時代に役人の狡さと威厳、傲慢さ、部下を見下し他人を馬鹿にする習性ばかり身に付けたようだ。

 こうなると他にも役人上がりの知事が、自治体で身勝手な行為をしているのではないだろうか、と些か気がかりである。現在47都道府県知事の内、26人が霞が関の官僚OBであり、中でも総務省上がりは最多の10人もいる。選挙で当選したとは言え、周囲からヨイショされた天下りである。「東大➡高級官僚➡知事」の悪循環をどこかで断ち切らなければ、また、第2の斎藤知事が出現することだろう。このままでは日本、危うし!

2024年8月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com