6213.2024年8月16日(金) 靖国神社へ参拝し戦争へ向かう国会議員

 去る8日宮崎県日向灘を震源とする震度6弱の地震が発生し、南海トラフ地震に関係あるとして、その後「巨大地震注意」が出されていた。それが昨日漸く解除された。だが、地震から逃れたとしても今度は大型台風7号が太平洋岸を北上して関東沿岸部に停滞し、警戒を怠ることができない。今日はJR東海の新幹線も東京・名古屋間は終日運休すると通告された。今朝起きた時は雨上がりで薄日が差していたが、昼近くになってかなり風雨が激しくなった。午後は時折大雨と強風が襲い掛かって来た。今晩から明朝にかけて近年稀なほどの暴風雨が襲ってくるようだ。

 さて、昨日の終戦記念日に当たり、木原稔・防衛大臣や閣僚経験者、自民党、及び日本維新の会ら揃って戦争を知らない国会議員が、かつて軍国主義の精神的支柱だった靖国神社を参拝してまたまた問題を提起している。彼らの言い分は、国のために尊い生命を犠牲にされた故人に哀悼の誠を捧げ、尊崇の念を表したと決まり文句のように述べたが、彼らには戦犯が開戦に至らしめた経緯と真実、そして戦争というものがよく分かっていない。靖国神社にはA級戦犯として絞首刑死した戦争指導者14名が合祀されており、その彼らに対して国を代表する政府要人が参拝することは、靖国へ祀られている他の戦没者や遺族が快く思う筈がないではないか。また、戦犯を敬い哀悼の意を表するということは、先の戦争を肯定することにならないか。言わずもがなであるが、歴史問題の誤った態度を反映しているとして中国や韓国から厳しく非難する声が上がっている。アメリカ国務省の報道担当者ですら、後ろ向きに見えるとして日韓関係への影響に懸念を示した。

 遺族の参拝者には祀られた肉親に対する思いがあり、戦犯のせいで自分たちの大切な家族の支柱を奪われた現実は恨みこそあれ、尊崇する気持ちはまったくないと思う。以前から戦犯の遺骨だけは靖国から別の場へ移すべきだとの声があったが、戦犯の遺族から強い反対がありそのままである。

 防衛省は政教分離の考えから自衛隊員が靖国神社に参拝することを憲法違反として認めてはいない。しかし、陸上自衛隊や海上自衛隊の幹部らが集団で参拝した事実が判明した。防衛省の自衛隊員の指導、管理は、統制が充分取れていないほどのユルフンである。その問題のある靖国参拝を国家公務員である国会議員が、平和を目指す国の方向に背き、何の抵抗もなく靖国参拝を続けているのは、靖国神社が存在する意味と参拝する真意が分かっていないからである。戦争に関する事実認識にも欠けている点がある。

 敗色も濃厚になりつつあった昭和19年11月2日の朝日新聞「声」欄に「噫 神風隊」と題してひとりの動員学徒が戦争賛美の投稿をしている。

 「神風攻撃隊の功績を聞いて泣かぬ者があらうか。あゝ己が必死の旅出をなすためのもう訓練を続けた至高至純の精神、そして敵をもとめて飛び去って行った雄々しさよ。日本青少年よ、感奮して叫べ、『待って下さい、私も続いて行きます』と、日本産業戦士よ、興起して叫べ『待って下さい、私がもっと良い飛機をもっと早く造ります』と」。

 前後の見境もなく完全に戦争に吞み込まれた戦争礼賛の声である。しかし、それが日本の敗戦をもたらし、多くの戦争犠牲者を生んだのだ。何が「至高至純の精神」か。靖国神社へ参拝した国会議員らも、彼らのような戦争へひたむきな魂はないだろうが、周囲が分からなくなった戦争狂信者の慣れの果てに似ている。戦争を知らない国会議員らに戦争の本質と悲劇を悟らせる新薬はないものだろうか。

2024年8月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com