6200.2024年8月3日(土) 円安から円高へ、株高から株安へ

 昨日の株価の暴落には驚いた。歴代2番目の下落幅である前日比2,216円は、市場のみならず、一般投資家に大きなショックを与えている。昨年10月には、日経平均株価は3万円を僅かに超えた程度だったが、それが先月11日には42,224円にまで値上がりしていた。その天国からあっという間に地獄へ突き落され、昨日の終値は35,909円にまで下がって、この1か月足らずの間に6千円以上も値下がりしてしまった。

 株の下落は、これまで植田・日銀総裁が金融緩和策に拘り、円安がいくら進行しようにも市場を注視すると言うばかりだったが、先月31日に総裁が政策金利を0.25%に引き上げることを発表し、円高が急激に進行したことと相関関係にある。昨年後半から徐々に進んだ円安に日本はエネルギー資源を輸入に頼るせいで、輸出で稼ぐ一面はありながらも国内経済は厳しい対応を迫られていた。円安の原因として挙げられたのは、アメリカの高金利に対して日本の低金利で、円安解決のためには、いつ日本が金利を引き上げるか、アメリカが引き下げるかという論点に焦点が当てられていた。そこへ植田総裁の金利引き上げの談話が敏感に市場に反映し、円高が急速に進んだ。今年1月には141円だったドルが、半年程度で161円にまで上がり続けていたが、一転して円高となり、昨日は1㌦=146円台となった。

 アメリカでも金利を下げるような連邦準備制度理事会(FRB)関係者の含みのある発言もある。問題は、国内で金利を上げることになれば、一般的には、金利が引き上げられ、企業や個人は資金を借り難くなり、経済活動が抑制され景気の過熱が抑えられることになる。家計にとって一番堪えるのが、住宅ローンの変動型金利である。長期の住宅ローンで住宅を購入した人の支払額に金利分が追加上乗せされることになる。これに伴って消費者物価に押し下げの圧力が働き、物価は安くなると言える。

 現実に如何なる影響が表れるかは、しばらく経過を見る必要があるが、いつも物価の動向を注意深く見守っていきたいと語って、一向に具体的な手段を講じなかった鈴木俊一財務相の発言を聞きたいところだが、こういう場面になると表に出て来ない。責任ある立場にいながら一向に責任を果たそうとしない困った御仁である。いずれにせよ鈴木財務相の発言を当てにせず、これからの金利引き上げの影響を注意深く見守っていきたい。

 さて、今日は朝から曇天模様だったが、昼ごろから晴れ間が広がり気象庁と環境省は、熱中症の危険が高まるとして、東北から沖縄にかけて37都府県に「熱中症警戒アラート」を発表している。

 気象庁によれば、今年の7月の平均気温は26.22℃で7月として日本の観測史上最も高かったという。昨年も25.96℃で史上最高だったが、2年続けて観測史上最高ということは、この猛暑が一時的なものではなく、今や地球上のみならず、日本列島にも根付いたものだと考えざるを得ない。これまで127年で日本の気温は1.6℃ほど上がったそうである。このまま行ったら10年後、20年後には危険な暑さを通り越して、「外出は死」の標語も生まれそうな時代になるのではないか。

2024年8月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com